いま私たちが見ているみなとみらいの景色や山下公園周辺の街並み。その横浜が誕生するまでに、どんな人々が暮らし、どんな時代を歩んできたのでしょうか。
横浜都市発展記念館では、昭和100年を記念した企画展「昭和100年記念 五十嵐英壽・常盤とよ子・奥村泰宏写真展 戦後横浜の光と影」を開催。3人の写真家が見つめた戦後横浜の姿を通じて、復興から高度経済成長、占領下の街、人々の日常までをたどることができます。
実際に内覧会で展示解説を聞いて感じたのは、これは単なる「昔の横浜の写真展」ではないということ。写真の背景を知ることで、一枚一枚が時代を語る証言のように見えてきます。開催期間中は展示担当者によるギャラリートークも予定されているので、ぜひ解説とあわせて楽しんでほしい企画展です。
本展では、それぞれ異なる視点で戦後横浜を記録した3人の写真家に焦点を当てています。
五十嵐英壽氏が写した「変わり続ける街」
新聞社の写真記者だった五十嵐英壽氏は、戦後復興から高度経済成長、そして横浜博覧会やみなとみらい21計画へと続く都市の変化を記録しました。 焼け跡から立ち上がる街、高度成長の活気、公害問題、そして新しい都市づくり。現在の横浜へつながるストーリーを写真で追体験できます。


戦後を代表する女性写真家として知られる常盤とよ子氏。真金町や伊勢佐木町周辺で暮らす女性たちの日常を記録し続けました。
展示では、華やかな戦後復興の陰で生きた女性たちの姿や、婦人保護活動の記録なども紹介。学芸員の解説を聞くと、写真に写る一人ひとりの人生や当時の社会背景が見えてきます。


奥村泰宏氏が見つめたのは、占領軍兵士と日本人が共存した戦後横浜の現実です。
戦争孤児やGIベビーを支援する活動にも携わった奥村氏だからこそ撮れた写真からは、教科書だけでは知ることのできない戦後社会の一面が伝わってきます。展示では、児童保護施設「ボーイズホーム」や聖母愛児園に関する資料も紹介されています。


今回の内覧会で特に印象的だったのが展示担当者による解説です。
例えば、公害を写した一枚が高度経済成長の「影」を象徴する写真であったり、一見何気ない街角の風景が占領下の横浜を物語る記録だったりと、背景を知ることで写真の見え方が大きく変わります。戦争孤児やGIベビー、婦人保護活動など、今にもつながる社会課題について考えるきっかけにもなりそうです。
展示期間中は複数回の展示解説も予定されているので、日程が合う方はぜひ参加してみてください。
昭和100年記念 五十嵐英壽・常盤とよ子・奥村泰宏写真展「戦後横浜の光と影」
会期:2026年10月10日(土)~12月27日(日)
会場:横浜都市発展記念館(横浜市中区日本大通12)
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝休日の場合は翌平日休館)
観覧料:一般800円、市内在住65歳以上・小中学生400円
アクセス:みなとみらい線「日本大通り駅」3番出口すぐ
公式サイト:https://tohatsu.yokohama-history.org/events/postwar-yokohama-photo-exhibition/