「この曲、知ってる!」
そう思った瞬間、ふっと肩の力が抜けて、気づけば舞台の世界に引き込まれていました。
2026年春、横浜・KAAT神奈川芸術劇場で上演されている劇団四季の『マンマ・ミーア!』は、ただ楽しいだけのミュージカルではなく、観る人それぞれの人生にそっと寄り添ってくれるような作品です。
懐かしい曲と多様性の現代に寄り添うストーリーこそが、『マンマ・ミーア!』が世代を超えて愛され続ける理由なのだと感じました。
『マンマ・ミーア!』の魅力は、やはりABBAの名曲たちにあります。
「ダンシング・クイーン」や「チキチータ」など、誰もが一度は耳にしたことのある楽曲が次々と登場しますが、単なるBGMではなく、登場人物の感情と重なることで、まったく新しい意味を持って響いてきます。
「あ、この曲知ってる!」という親しみやすさから始まり、その曲が誰かの人生や想いを背負った瞬間、ぐっと心に迫ってくる——この体験は世代を問わず楽しめる大きなポイントです。
特に印象的だったのは、楽曲が流れるたびに客席の空気が少しずつ温まっていくこと。知っているからこそ入りやすく、でも観終わる頃には“自分の思い出の曲”のように感じてしまう、不思議な魅力がありました。
物語の舞台は、エーゲ海に浮かぶ小さな島。結婚を目前に控えたソフィが、自分の父親を知るために、母・ドナの日記を手がかりに“父親候補の3人”へ内緒で招待状を送ってしまうところから、物語は動き出します。
式の前日、ドナが一人で切り盛りしてきたホテルには、かつての恋人であるサム、ビル、ハリーが突然現れ、さらに親友のターニャとロージーも加わって、過去と現在が一気に交錯していきます。にぎやかでどこかコミカルな展開の裏側で、ドナの中に残っていた想いや後悔が静かに揺れ動いていく様子が、とても印象的でした。

一方でソフィもまた、「本当の父親は誰なのか」「自分はどう生きたいのか」といった問いの中で揺れ続けます。父親候補の3人それぞれにエスコートを頼まれてしまう混乱や、婚約者とのすれ違いなど、決して順風満帆とは言えない状況の中で、自分なりの答えを探していく姿は、とてもリアルに感じられました。
物語が進むにつれて見えてくるのは、“正解はひとつじゃない”ということ。

未婚で子どもを育ててきたドナの人生、
離婚を重ねながらも自由に生きるターニャ、
結婚という形にとらわれない関係を求めるロージー。
それぞれが異なる選択をしながら、それでも自分の人生を肯定している姿が自然に描かれており、観ている側も「どんな生き方を選んでもいいのだ」と感じられ、これからの人生に少し前向きになれる作品です。

明るく軽やかな物語でありながら、その奥には“誰かの人生そのもの”が確かに流れていて、それぞれの葛藤や覚悟に共感できるからこそ世代を問わず心に響く——そんな作品だと感じました。
KAAT6階ではマンマ・ミーア!のコラボグッズやコラボレーションメニューの販売も。
観劇後や休憩時間中にもマンマ・ミーア!を感じながら余韻のある時間を過ごすことが出来ます。
ぜひ立ち寄ってみてください。

ミュージカル『マンマ・ミーア!』横浜公演
・公演期間:2026年4月5日(日)~8月6日(木)
・会場:KAAT神奈川芸術劇場<ホール>(横浜市中区山下町281)
・アクセス:みなとみらい線「日本大通り駅」徒歩5分 ほか
・上演時間:約2時間35分(休憩含む)
チケット料金(目安)
・S席:12,000円~14,500円
・A席:9,500円~11,000円
・B席:7,500円~9,000円
・C席:4,500円~6,000円
・サイド立見席:4,500円~6,000円
※日程により変動あり
※3歳以上有料/3歳未満入場不可
チケットはこちらから▶https://www.shiki.jp/tickets/