特集

日本大通り界隈、横浜三塔物語

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横浜を初めて訪れた方も、もちろんハマっ子も!横浜の歴史に触れることにより、もっと横浜が好きになる「横浜観光親善大使と巡る歴史旅 ヨコハマ再発見」!

ハマっ子の皆さんは横浜三塔と言えば、JACK=横浜市開港記念会館、QUEEN=横浜税関、KING=神奈川県庁ということ知っている人、多いと思います。これは明治時代に横浜港に入る外国船員がトランプのカードに見立てて海から見える3つの塔を愛称で呼んだことから『横浜三塔』といわれるようになったそうです。そして「3塔が見えるスポットをすべて廻ると願い事が叶う」という都市伝説もあります。

今回はこの三塔と日本最初の西洋街路である日本大通りを散策してみます。
旅のナビゲーターは第18代横浜観光親善大使の首藤櫻(しゅどうさくら)さんと稲垣薫(いながきかおる)さん。今日は天気も良いので頑張っていきたいと思います。

 

 

さあ、my routeで検索して、いざ出発。JR関内駅スタート

 

 

横浜公園にやってきました。横浜スタジアムはとても有名ですが、横浜の中では山手公園についで2番目に古い公園で、横浜という都市の発展と共に歩んできた公園です。在留外国人の生活環境改善を求めた条約に基づき、遊郭の跡地に整備が行われ、1876年に開園、一般の人々にも開放されたため当時は「彼我(ひが)公園」といわれていました。

 

 

日本庭園もありました!
1909年には、公園全域が横浜市の管轄となり、大震災と戦後の接収時代を経て、1952年の接収解除後は当時の平沼市長が命名した公園内の平和球場で高校、大学、ノンプロの野球試合が数多く行われました。

 

 

日本大通りにやってきました。R.H.ブラントンの設計により1872年頃に完成した日本で初めての西洋式街路です。明治のころの日本町と居留地の間にできた、火事の防火帯にもなっていました。
神奈川県庁や横浜開港資料館、横浜地方裁判所、旧三井物産横浜ビル、旧関東財務局など、 重厚な歴史的建造物が立ち並びます。紅葉の季節には、道路沿いのオープンカフェは美しく色づいたイチョウが眺められる人気の休憩スポットとなります。

 

 

写真所蔵:横浜都市発展記念館 横浜絵葉書

上の写真は大正期の神奈川県庁と日本大通りです。まるで外国のようです。

 

 

ちょっとビートルズのアビーロード風!

 

 

季節のよって、様々な花が咲き誇ります。横浜市の緑化イベント『ガーデンネックレス』の会場にもなっています。春からチューリップそしてばら、秋には銀杏の紅葉が楽しめます。

 

 

海側からスタジアム方向、実は、このあたりがこの周辺では標高が高く、スタジアムに向かって傾斜があるのがわかります。

 

 

おしゃれなコンビニ&カフェ gooz

 

 

日本大通り、横浜情報文化センターにやってきました。日本新聞博物館と放送ライブラリーを中核として、多目的ホールやオフィススペースを備えた複合施設で、旧・横浜商工奨励館 を再利用した4階建ての旧館部分と新たに造られた12階建ての建物で、1階には素敵なヨーロッパ―料理で外国の音楽家が生演奏をしてくれる操業60年を超える老舗のアルテリーベが入っています。

 

 

写真所蔵:横浜都市発展記念館 [横浜市商工奨励館]年代:昭和戦前期 横浜絵葉書

元は関東大震災後の復興事業として昭和4年(1929)に建てられた「横浜市商工奨励館」で、平成12年(2000)に改修・増築され現在の姿に生まれ変わりました。

 

 

重厚な正面玄関は、「沈まぬ太陽」などの映画、ドラマの舞台にも登場します。

 

 

新聞少年の像

財団法人日本新聞販売協会が設立した記念像で情報文化センターの角地にあります。同じポーズで決めてみました。

 

 

情報文化センターの2階にある、『カフェドゥラプレス』にやってきました。異国情緒あふれるカフェでヨーロピアンクラシックな雰囲気が漂っています。天井が高く開放的な店内は、まるでパリを訪れた気分に。また、イチョウ並木を眺める窓からは温かい陽光が差し込み、リラックスして食事や本格フランス菓子を楽しむことができます。

 

 

店内はヨーロッパにいる感じで、チョットおすまし。

 

 

ランチを美味しく頂きました。
櫻さんは真鯛のポアレ(聖護院蕪とジャバラのクーリ)1500円、薫さんはパスタオレキュエッテ(サクラエビと瀬戸内レモンのソース)1300円
どちらもサラダ、スープ、ミニデザートがついています。いただきます。

 

 

さてちょっと歩いて日本大通りの県庁側にある最初の横浜三塔のスポットにやってきました。場所は神奈川県庁本庁舎前の日本大通り側の庁舎前(港郵便局隣)にあります。

 

 

三塔スポット前から・・・願いって本当にかなうのかな?

 

 

神奈川県庁の本庁舎を案内してもらいました。関東大震災後の1928年10月に四代目の神奈川県庁舎として建てられ、国指定文化財となっている、横浜を代表する近代建築のひとつです。また、知事が執務する都道府県庁舎の中では、大阪府庁本館に次いで二番目に古い建物でもあります。茶褐色タイルと独自の幾何学模様の装飾からなる外観は、日本趣味と西洋建築が調和し荘厳さを感じさせるとともに、五重塔をモチーフとしたとされる塔は、和風意匠を用いた「帝冠様式」建築の先駆的事例とも言われています。
写真は大会議室(旧議場)です。とってもクラッシック。今は新型コロナウイルス感染防止の関係で一般公開はしていませんが、知事室や旧貴賓室含めて、年に数回庁舎公開をする際には見学することができました。

 

 

屋上展望台から、横浜港やみなとみらい地区(天気の良い日には東京スカイツリーも!)の眺めをお楽しみください。クイーンの塔(横浜税関)とジャックの塔(横浜市開港記念会館)も間近に見えます。一般に人も気軽に来れますよ!見学可能時間は、月曜日から金曜日の午前8時30分から午後5時15分までです。(祝日・休日及び12月29日から1月3日を除く)

 

 

建物の外観は竣工時と現在ではほとんど変わっていませんが、当時は粘土を焼いて作ったテラコッタの装飾が軒にありました。
現在は銅版で覆われていますが、屋上に当時のテラコッタが展示されています。

 

 

日本大通りに面した中央階段です。玄関ホールは、幾何学的なアール・デコ装飾と和風が調和し、した造りになっています。

 

 

中央階段の球形照明や手すりのグリルなど、本庁舎内各所に「宝相華」(ほうそうげ)のモチーフがあしらわれています。

 

 

次は、象の鼻パークにやってきました。横浜三塔のスポットがここにもあります。場所は、象の鼻パークの丁度、鼻の先当たり。探してみてね。

 

 

スポットからの三塔。JACK(横浜市開港記念会館)の塔の突端が・・・ぎりぎり見えます。

 

 

鼻の突端にはガス灯があり映えます。

 

 

横浜赤レンガパークにも横浜三塔スポットがあります。

 

 

ここからの横浜三塔はQUEEN(横浜税関)が映えます。

 

 

最後の横浜三塔スポットは、大さん橋客船ターミナルです。探して見てくださいね。このスポットは結婚式の有名撮影スポットで年間1,500カップル以上が結婚写真を撮ると副館長の横森さんが話してくれました。

 

 

櫻さん、薫さんすべて巡ると願いが叶うといわれていますが、何かお願いすることはありましたか。

 

 

大さん橋客船ターミナルの横浜三塔スポットは木造のデッキに映えますね。

 

 

風が強い!でも横浜らしいスポットの一押しですね。眼下には大きな三塔スポットのデザインが映えます。

 

 

QUEEN(横浜税関)にお邪魔させていただきました。撮影は神奈川県庁の屋上展望台からの撮影です。
横浜税関は、1934年竣工、「クイーン」の愛称で親しまれる塔はイスラム寺院風のドームでエキゾチックな雰囲気。庁舎は、横浜市認定歴史的建造物に登録されています。

 

 

広報広報室の方が横浜税関1階にある、資料展示室を案内してくれました。このかわいいキャラクターは「カスタム君」です。

 

 

この写真は「横浜開港と横浜税関とのはじまり」の説明を受けているところです。
展示室内はそのほかにも。横浜税関の歴史や役割、ホンモノ・ニセモノコーナー、ワシントン条約コーナー、密輸の手口など盛りだくさんの展示構成になっています。資料展示室の入口はカスタム君が目印。

 

 

熱心に聞く、櫻さんと薫さんそういえば、2人とも大学はリモート授業が中心だったのでリアルな説明は久しぶりです。

 

 

資料展示室前のカスタム君。

 

 

横浜税関の正面です。

 

 

横浜税関の正面はドーム型のアーチはどこかエキゾチックでした。

 

 

さて最後にご紹介するのは、JACK(横浜市開港記念会館)です。但し残念ながら、老朽化に伴う保存改修工事のため2024年3月まで休館です。撮影は県庁の屋上展望台からです。塔がしっかり見えます。

 

 

今は閉館中ですが・・・外からは楽しむことができます。
1917年竣工、開港50周年を記念して建てられた、レンガと花崗岩でできた建物です。東南隅に時計塔、西南隅に八角ドーム、西北隅に角ドームをあげ、時計塔が「ジャック」の愛称で親しまれています。2階にあるステンドグラスは必見。(国重要文化財)、写真では塔が切れてしまいましたが、前の写真を見てくださいね。

 

 

横浜市開港記念会館の正面玄関です。

 

 

入口近くに岡倉天心生誕の地の石碑があります。岡倉天心は明治時代の美術指導者で1863年、現在の横浜市開港記念会館がある場所で生まれました、父が支配人を務めていた商館、石川屋(石川生糸店)には多くの外国人が出入りし、幼少期を過ごした天心は自然と英語を身に付けたそうです。その後米国人教師の通訳として日本美術研究を手伝うことになり、東京美術学校の設立に大きく貢献しました。

 

 

1874年この場所に「町会所」が建てられました。当時とても珍しかった時計塔のある建物で横浜名所になったそうです。この町会所に1880年に、外国を相手とする横浜商人の結束と自立をはかることを目的に「横浜商法会議所」を設立。1928年に「横浜商工会議所」と改称しました。碑は商工会議所開設100周年を記念して1980(昭和55)年に建立された。

 

 

本日の歴史旅はみなとみらい線「日本大通り駅」で終了。
おまけのこの写真は、日本大通りのレリーフで柳原良平さんの絵をモチーフにしたタイル絵で、横浜三塔が描かれています。ここも三塔スポットとしてぜひお立ち寄りくださいね。

※取材は新型コロナに配慮して感染予防をして取材に臨んでいます。

<取材協力先一覧>
※お店の営業時間などは変更になっている場合があります。事前にお調べになってからお出かけください。


協力:公益財団法人横浜観光コンベンション・ビューロー
   横浜港大さん橋国際客船ターミナル
レポート:小嶋 寛
写真:清水和成

 

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