6月2日は横浜開港記念日!安政6年(1859年)6月2日に横浜港が開かれてから、今年で開港166年を迎えます。
「横浜の開港」と聞くと、多くの人がまず思い浮かべるのが「ペリーの来航」ではないでしょうか?
黒船でやってきたペリー提督が日本に開国を迫った…歴史の授業でもおなじみのエピソードですよね。
しかし、意外と知らないことも多いのが、この開港という出来事です。
そこで今回は、横浜開港祭親善大使の伊藤 舞(いとう まい)さん(左)と塚島 朱音(つかしま あかね)さん(右)と共に、
改めて横浜開港の歴史を一緒に楽しく学んでいきましょう!
▼目次
・ SUITAKU
・ 横浜開港資料館
・ 横浜開港広場
・ 横浜マリンタワー
スタートは、横浜港ボートパークから。
ここから横浜唯一の水上タクシー「SUITAKU(スイタク)」に乗船します!
このSUITAKUは、横浜港ボートパークと象の鼻桟橋を結ぶ定期航路として運航されており、
日常の交通手段としても使えるだけでなく、昼夜問わず貸し切りクルージングも楽しめる、ちょっと特別な存在なんです♪
横浜港ボートパークを出航し、これから向かうのは象の鼻桟橋。
この日はまさにクルージング日和。青空が広がり、心地よい海風が吹く中、
開放的なSUITAKUでの移動はとても気持ちがいいですね!
親善大使のお二人が何かを見つけたようです。その視線の先に現れたのは――ー横浜三塔!
「キングの塔(神奈川県庁本庁舎)」、「クイーンの塔(横浜税関)」、「ジャックの塔(横浜市開港記念会館)」の
三つの歴史的建物は、古くから横浜のシンボルとして親しまれ、横浜三塔の名で知られています。
まるでペリー提督になった気分で水上から眺めるこの景色は、日常を忘れるような特別なひととき。
波に揺られながら進む船上からは、普段とは違う角度から見る”みなとみらい”の姿が広がり、空も街も一層魅力的に映ります。
およそ30分間のクルーズは、横浜の歴史と今が交差する美しい街並みをじっくりと味わえる、贅沢なひとときでした。
高層ビルと歴史的建築が共存する風景に見とれているうちに、目的地の象の鼻桟橋に到着です!
キャプテンと記念撮影♪楽しい船旅をありがとうございました!
象の鼻桟橋から歩いてすぐ、次に訪れたのは「横浜開港資料館」!
横浜開港資料館は、1854年(安政元年)に日米和親条約が締結された地に建っています。
開港100年を記念して編さんされた『横浜市史』の収集資料をもとに、1981年(昭和56年)に開館しました。
横浜開港の原点ともいえるこの場所は、横浜の“はじまり”を今に伝えるスポットとして、多くの人々に親しまれています!
横浜開港資料館の中庭に立つ一本の大きな木、それが「たまくすの木」です。
この木は、なんと1854年の日米和親条約締結の時からそこにあったと伝えられており、
まさに横浜の歴史を見守ってきた“生き証人”のような存在。
そんなたまくすの木の周辺では、現在バリアフリーのウッドデッキを設置する工事が進められており、
より多くの人が安全に、そして快適に訪れることができるようになります。
取材の日も工事が行われていましたが、開港記念日までには完成予定とのこと♪
そして、横浜開港資料館の敷地内に建つ、重厚な佇まいの建物。
実はここ、かつてイギリス領事館として使われていた歴史ある建物なんです!
日本に渡ってきたイギリスの人たちのために建てられたもので、現在の建物は2代目。
初代の領事館は関東大震災で倒壊してしまいましたが、現在見られる建物は1931年(昭和6年)に再建されたもので、
まもなく築100年を迎える貴重な歴史的建築です。
横浜開港資料館を出てすぐ、お隣にあるのが「横浜開港広場」です!
ここは、1854年に日米和親条約が締結された歴史的な地。
その出来事を伝えるために、敷地内には記念碑が建てられています。
横浜開港広場を出発し、向かったのは「横浜市開港記念会館」!
「ジャックの塔」としても知られ、横浜の歴史的シンボルのひとつです。
今回は外観のみの見学となりましたが、そのレンガ造りの姿からは、深い歴史が伝わってきます。
横浜市開港記念会館は1917年(大正6年)に横浜開港50周年を記念し、市民の寄付によって建てられた歴史的建造物です。
塔の高さは約36mで、三塔の中でも最も古い歴史を持ちます。
開館以来、市民に親しまれてきたこの建物は、1989年(平成元年)には国の重要文化財にも指定されているんです!
横浜市開港記念会館を後にし、次に訪れたのは象の鼻パークに設置されている「横浜開港150周年記念碑」!
この碑は、2009年(平成21年)に開催された「開国博Y150」を記念し、横浜の礎を築いた先人たちへの感謝と、
これからの横浜のさらなる発展への願いを込めて建立されました。
静かに佇む記念碑には、開港の歴史と未来への想いがしっかりと刻まれています。
横浜開港資料館の中庭にある大きな「たまくすの木」。
その木の精として誕生したのが、横浜開港150周年記念事業マスコットキャラクター 「たねまる」です。
船に乗った種から芽が出た姿をイメージしたこのキャラクターは、全国からの公募でデザインが選ばれ、
さらに愛称「たねまる」も公募で決定しました。
その姿には、横浜開港の歴史と未来への願いが表現されています!
横浜開港150周年記念碑を後にして、次の目的地は「横浜マリンタワー」!
早速、タワーの展望フロアへと向かいます!
展望フロアは29階と30階の二層構造になっていて、横浜の街をぐるりと見渡せる開放的な空間が広がっています。
横浜マリンタワーは、横浜開港100周年を記念して建てられたタワーで、1961年(昭和36年)に完成しました。
高さは全長106m、展望台は地上94mにあり、横浜の街を見渡せる絶好のスポットです♪
かつては灯台としての役割も果たしていて、「世界一高い灯台」としてギネスブックにも載っていたんです!
灯台としての役目は2008年9月1日で終了しましたが、それまでの約50年間、横浜港を静かに見守り続けていました。
SUITAKUで海上から見た横浜も素敵でしたが、開港の地・横浜を展望フロアから見下ろす景色もまたいいですね♪
歴史ある港町を高いところから眺めると、横浜の魅力を改めて感じますね!
横浜マリンタワーから歩いてすぐの場所にあるのが、歴史と格式を誇るクラシックホテル「ホテルニューグランド」!
1923年(大正12年)の関東大震災では、横浜のホテル街も甚大な被害を受けましたが、
復興への強い思いを胸に、1927年(昭和2年)12月1日、山下公園の目の前に誕生しました。
開業当初から「最新式設備とフレンチ・スタイルの料理」を掲げてきたホテルニューグランドは、レストランに特に力を注ぎ、
ドリアやナポリタン、プリン・ア・ラ・モードなど、今や定番となった洋食メニューの発祥地としても知られています。
ここから生まれた味は、横浜から全国へと広がり、日本の食文化に大きな影響を与えました。
そんな名物の数々は、今でも本館1階の「ザ・カフェ」で楽しむことができます!
今回はその中から、レトロで愛らしい見た目も人気の「プリン・ア・ラ・モード」をいただきます♪
バニラアイスやプリンは、開業当時から受け継がれてきた、こだわりのレシピで今も作られています。
プリンは、スプーンをすっと入れると跡が残るような、少し硬めの食感。誰もが思い描く「これぞプリン!」という、王道の味わいです。
そしてバニラアイスも、開業当時から変わらず手づくり。
ひと口食べれば、ふわっととろけるようなやさしい口どけと、すっきりとした後味が広がります。
アメリカ人将校夫人を喜ばそうと当時のパティシエが創作した見た目も華やかでボリュームのあるスイーツは、今でも幅広い世代に人気だそう。
プリン・ア・ラ・モードが盛り付けられている、特徴的な足付きの器。
今では「プリンアラモードの器」として親しまれていますが、実は本来は前菜用の「クルトンディッシュ」として使われていたものだそうです。
ガラスの横長の形状は「バナナボート」、さらに足付きのタイプは「サンデー」と呼ばれ、一般的には「バナナサンデー」という名称だとか。
見た目にも華やかな器にも、心に残るストーリーがあるんですね♪
プリン・ア・ラ・モードを堪能したあとは、クラシカルな大階段で記念の一枚を。
旅の締めくくりに、親善大使のお二人に感想をインタビュー♪
「今日ほど横浜を強く感じた日はなかったのではないかと思います」と語る伊藤さん(写真左)。
水上タクシーで手を振った際、多くの人が手を振り返してくれたことから、
「横浜は本当に優しく、温かい街だと改めて実感しました」と、嬉しそうに振り返ってくれました。
各地を巡りながら横浜の歴史を学び、「横浜開港祭親善大使として、もっと横浜の魅力を伝えていかなくてはという想いが強まりました」と話し、
「これからも、横浜の魅力や横浜開港祭の楽しさをたくさんの人に届けていきたいです」と意気込みを語ってくれました!
「改めて横浜のまちを巡って感じたのは、やはり“横浜の開港”が、横浜の発展にとって本当に大きな出来事だったということです」と語る塚島さん(写真右)。
横浜マリンタワーや記念碑などが節目の年に作られてきたように、
「これから先も、横浜は何周年を迎えても、ずっと市民の皆さんに愛され続けるまちであり続けるのだろうな」と感じたそうです。
歴史ある名所をめぐる中で多くの人に温かく迎えていただき、
「横浜の素晴らしさを改めて実感しました。横浜開港祭親善大使として、より誇りを持って活動していきたいという気持ちが強くなりました」とコメント。
最後には「これからも活動を頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。本当に楽しい一日でした」と、笑顔で締めくくってくれました!
お二人とも、本日は本当にお疲れさまでした!
最後まで明るく、にこやかに取材に応じてくださり、こちらまで元気をもらえる一日となりました♪
横浜の開港について知ることは、今の街の魅力をより深く味わうヒントにもなります。
横浜開港祭を前に、皆さんもぜひ、横浜の“はじまり”に触れてみてはいかがでしょうか?
きっと、新たな発見があるはずです!
そして、2025年5月31日(土)・6月1日(日)・6月2日(月)の3日間には、
横浜開港記念日を祝う「横浜開港祭」が開催されます!
この機会に、ぜひ横浜の歴史と魅力を感じに、足を運んでみてください♪
◆今回紹介したスポット
文・写真:加藤