西区第3地区 移動支援バスが5周年 高齢者の‟足”として活躍

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送迎車両と「おでかけ3」のポーズをとる実行委員たち。緑がイメージカラー

高齢者の移動支援を目的に西区第3地区内を走る車両「おでかけ3(さん)」が、今年3月で運行丸5年を迎える。現在、利用登録者は267人。買い物や通院の足として活躍している。一方、運行を継続していくためにも担い手の確保が課題となっている。

第3地区は西区の中でも山や坂が多く、高齢化率も高い。2016年度から藤棚地域ケアプラザが第3地区の65歳以上約400人に実施したアンケートでは、「山・坂・階段が多く、買い物に苦労している」という人が全体7割近くに上った。

そこで、移動支援バスの構想が持ち上がり、地域住民と西区浜松町の障がい者支援施設「生活創造空間にし」、藤棚地域ケアプラザが連携。2018年5月に試験運行を行い、19年4月に本格運行に漕ぎつけた。

車両は、生活創造空間にしの利用者送迎用のワゴン車を活用。運転手を除く7人が乗車できる。今年度は西区社会福祉協議会の助成金を活用しており、参加費30円で誰もが利用可。施設利用者の送迎時間を除き、午前・午後に各2便が走る。

停留所は現在9つ。県営藤棚アパート自治会館前、岡﨑邸前、藤棚地域ケアプラザ、わいわい広場(藤棚商店会)、東久保町会館前、トキワ坂上、聖隷横浜病院前、元久保町会館前、池ノ上公園北口(※わいわい広場を経由し県営藤棚アパート自治会館前に戻る)。

担い手確保、課題に

おでかけ3を運営するのは地域住民らによる実行委員会。生活創造空間にしと藤棚地域ケアプラザ、西区社協、西区役所の職員らも参加しており、20人で構成されている。月1回会議を開き、状況の共有や課題などについて話し合っている。

本格運行の翌年はコロナによる緊急事態宣言などがあり、一度は中止を余儀なくされた。実行委員会の笠原實委員長によると、コロナ禍においても運行を望む声があり、期待値の高さを感じたという。「車内でのおしゃべりがいい。人と人とをつなぐコミュニケーションの場にもなっている」と同車両の運行意義を語った。一方、「継続していくために後継者の確保が課題」と指摘した。

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