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地域と警察が意見交換などを行う警察署協議会が1月25日、関東学院大学関内キャンパスで行われた。伊勢佐木警察署の倉林徹署長をはじめとした同署幹部と、中区役所や管内の企業、教育関係者らからなる委員7人が出席。また、同大学の大学生が傍聴に訪れた。
主に中区福富町周辺で近年増加している身に覚えのない高額な現金の引き出しやクレジットカード決済の被害相談が取り上げられた。酩酊状態のまま、店舗スタッフらとともにATMで自ら暗証番号を入力して現金を引き出し、その後、防犯カメラがない場所で飲食店関係者が現金を受け取るというケースが紹介された。現金の受け渡しの証拠が押さえにくいため、事件化が難しい。
これらの被害相談者のほとんどが、客引きによるものだという。同署の歓楽街対策官は、客引きに注意することが重要だと指摘していた。
報告を受けた委員からは、福富町周辺から寄せられた相談内容の変化について説明を求める声や、自動販売機業者に協力を得たさらなる防犯カメラの拡充、歓楽街の中心部に移動式の「アクティブ交番」を設置するなどの提案があった。
伊勢佐木署はこれらの答申を受け、次回4月の協議会でその対策や取組などを回答する予定だ。傍聴した同大学4年の佐藤源さん(22)は「警察の仕事には法律の知識も必要だということに改めて気づかされた」と話していた。
今回は、協議会委員からの提案で昨年4月開校の同キャンパスで開催となった。担当した同署警務課の渡邉弟陽警部補は「学生に警察の仕事を知ってもらう機会にもなれば」と同所での開催の意義を説明していた。
警察署協議会は1999年から2000年にかけて神奈川県警察などで発生した不祥事を契機に、警察の透明性や信用性向上を目的に警察改革の一環として法律で設置が定められた。全国の警察署で設けられている。