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馬の博物館=中区根岸台=は、収蔵資料の修復などを行うため1月29日からしばらくの間休館する。それに伴いフィナーレ展「うまはく所蔵優品選」を28日まで開催している。
同館は馬を専門とする日本唯一の博物館として、日本初の洋式競馬場「根岸競馬場」の跡地に1977年に開館した。(公財)馬事文化財団が馬文化の継承と馬と親しむ機会の創出を目的に開館から運営。地上1階と地下1階からなり、大小4展示室を設置。古来からの馬と人との関わりが分かる資料や馬をモチーフにした美術品、絵画などが展示されている。
また、馬具を装着できる体験コーナーや馬力測定器などもあり、馬や競馬好きだけでなく、家族連れや学校の校外学習での利用など、2023年には年間約1万8千人が訪れ「馬(うま)博(はく)」の愛称で親しまれてきた。
今回の展覧会は、一番広い第2展示室と隣りの第3展示室を会場に、同館が所蔵している約2万点の中から厳選された100点が展示される。
馬が描かれた浮世絵や屏風、また、重要文化財であり、馬の背に置いて人や荷物をのせる馬具『黄石公(こうせきこう)張良図(ちょうりょうず)沈金(ちんきん)鞍(くら)』(室町時代)など貴重な所蔵資料が集まる。
展示品は同財団の学芸員5人で選定したという。その1人、若林美樹さん(34)は「再開時にまた来たいと思ってもらえるような、集大成といえる展覧会になった」と話す。
また、今回の展覧会に合わせたフォトスポットも。根岸競馬場と馬の博物館の歩みが分かる写真の前で記念撮影ができる。その時々の馬や風景を懐かしむ来館者も多く、若林さんは「続けてこられたのは地域の深い理解があってこそ。多くの方に来てもらえたら」と話している。
午前10時〜午後4時30分開館。入館料は大人200円、小中高校生は30円(土曜日は小中高生無料)。月曜日休館。
博物館の閉館中も同財団が運営する根岸競馬記念公苑(ポニーセンター)は営業し、サラブレッドや日本在来馬などさまざまな品種の馬の様子を見られる。馬とふれあうことができる「にんじんタイム」などは継続するという。