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「一般的にバラは春と秋に咲きますが、ここのバラは年に4回咲くんです」。元町百段公園愛護会=中区山手町=が管理する「元町百段公園」には60株ほどのバラが植えられている。
同団体は2016年、「無農薬・有機肥料によるバラ栽培を実証する」ことを目的に結成された。会員は50代から70代までのバラ愛好家11人のほか、東京都市大学環境学部環境創生学科=都筑区=の大学生4人の計15人が参加。20年前から無農薬バラ栽培を提言し、実践してきた同大学の田中章教授と会員の1人に交友関係があり、田中教授の研究室の学生たちが約6年前から実証研究のため参加している。
活動は毎週土曜日に除草や園内の清掃、花壇の水やり、バラの剪定などを行っている。そのほか毎月第1日曜日の勉強会通じて、活動内容について打ち合わせたり、会員の1人で横浜ばら会副会長の石川彌之助(やのすけ)さん(86)が講師を務め、その月のバラの飼育方法についてレクチャーを実施している。
また生物多様性を実現するために、鳥の巣箱を園内の木に設置。バラの害虫処理をしてくれるというシジュウカラを巣箱に誘い込もうと試みているという。
活動に参加している東京都市大学4年生の大山覚士さん(22)=中区石川町在住=は「仲間と試行錯誤しながら公園で実証実験を行うという、貴重な経験をさせてもらっています」と感謝していた。
今回の受賞を受けて同団体の竹内勲会長は「今後はこれを励みに、無農薬バラ栽培の普及発展に精進していきたいです」と話した。
無農薬バラ栽培の普及のために、同団体ではインスタグラムを活用。「バラ会」での石川さんのレクチャー内容をまとめたものなどを投稿している。今後は栽培方法のマニュアル化を少しずつ進めていきたい考えだ。
現在会員を募集中。問い合わせは団体のメールアドレス(【メール】yamate.hyakudan.barakai@gmail.com)かインスタグラム(yamate.hyakudan.barakai)のダイレクトメッセージに連絡を。