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今年3月、平和学習を目的にパレスチナを訪れた西区東ケ丘在住の浅沼貴子さん(16)。その体験記が一冊にまとめられ、10月26日に出版された。書籍名は『15歳の少女が見た紛争地「パレスチナ」の未来』(B5判、80頁、税込2200円)。スタディツアーを企画した特定NPO法人コネクション・オブ・ザ・チルドレン(加藤功甫代表/以下、CoC)=西区東ケ丘=が著作・編集。インターネット経由で購入できる。
CoCによると、パレスチナ行きの経緯や医療チームに同行して見てきた人道支援の現場、難民の家庭で話したこと、現地の学校での交流など、様々な経験がつづられている。イスラエル・パレスチナ紛争の歴史にも触れており、入植地、分離壁の問題、検問所、難民キャンプなども解説。全編ルビを振っているため「子どもたちにも読みやすく、浅沼さんと一緒に現地を追体験できる」とCoCは説明する。
今回の平和学習は、CoCのメンバーでNGOの一員としてパレスチナに2年間駐在した経験を持つ人道支援のエキスパート、津高政志さん(40)がコーディネートし同行した。
医療従事者として紛争地で人道支援に携わることを夢見て、自らの意思で現場行きを希望した浅沼さん。本出版にあたり「いまガザで起こっていることを止められるのは大人です。これからの未来を変えていけるのは子どもたちなので、全世代の方に読んでもらいたい」とコメントする。
津高さんは、イスラエルとパレスチナの関係について「とても複雑で重層的な物語がある。現状を理解するには、それぞれのバックグラウンドを意識した教育がとても大切」と話していた。同書の問合せはCoC【電話】045・315・4137。