中消防署は９月13日、山下公園前海上において消防隊が到着する前に人命救助を行なったとして、発見から救助に携わった３人に感謝状の贈呈を行なった。

溝田睦さん（59）は７月26日の午後10時ころ、山下公園の氷川丸付近のバルコニーで柵を超え階段を下りて海に入っていく高齢の女性を発見し、周囲に助けを求めた。その声を聞いた西玲郁さん（33）が１１９番通報。その間、ランニング中に通りかかったという富川啓文さん（25）が先に海で救助を行っていた男性を手伝い、女性をバルコニーまで搬送した。救助された女性の命に別状はないという。

都内在住で偶然横浜に訪れていた溝田さんは「１人の命が救われて本当にうれしい」と安堵の表情を見せた。仕事の都合で横浜の実家に帰省していた西さんは「（溝田さんの）助けを呼ぶ声が普通ではなく、周囲に電話している人もいなかったので通報した」と当時を振り返った。神奈川区在住の富川さんは「体が自然と助けに向かっていた」と話した。

同署の黒岩大輔署長は「人を助けたいという尊い気持ちがつながり、救助隊に引き継いでくれた」と３人に感謝の意を示した。