横浜市 浸水対策に手引き マンションの防災支援

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タウンニュース
社会

近年被害が拡大する豪雨や台風による水害に備え、横浜市がマンションの浸水対策を支援する手引きを作成した。市内住戸の半数以上がマンションで川沿いなど浸水想定エリアも多いことから、防災認定制度とあわせて活用を促し、住民による水害対策を強化する。

2019年の台風で川崎市内の高層マンションが浸水被害にあったことを契機に、市は「よこはま防災力向上マンション認定制度」を昨年からスタート。市内全住宅数の約6割をマンションなどの共同住宅が占めることから、災害時でも居住継続できることを目的とし、ソフト面とハード面の対策を評価している。

タイムラインも重視

今回の手引きは認定制度を進めるなかで、管理組合から相談の多かった浸水対策を支援するために、市が独自に作成したもの。ハザードマップなどを使って想定される浸水の深さを調査する方法や、電気設備などの設置位置、防水のための資機材など全15ページにわたり、手順や浸水対策の具体的な手法を分かりやすく解説。万が一の浸水に備えた対策や復旧対応も盛り込んだ。

一方ソフト対策も重視し、平時から被災前後まで時系列にやるべきことを整理した「タイムライン」を作成し、居住者の間で共有することなどをまとめた。手引きは市のHP(「横浜市防災マンション認定」検索)で公開されている。

認定きっかけに

よこはま防災力向上マンションの認定数は、現在新築の計画認定を含めて30件。市では認定取得を目指す管理組合に対し防災アドバイザーの派遣も行っている。昨年認定を受けたMMタワーズフォレシス=西区=では元々建物に設置されていた止水板に加え、地下の電気室が浸水しないよう管理費で新たに防水扉を6カ所設置した。同管理組合で昨年防災理事を務めた田島京子さんは「浸水対策を進めたことで安心感が高まった。住民の防災意識が高まるきっかけにもなる」と話した。市の担当者は、事例を周知しながら手引きの活用を促したいとし「認定取得の有無に関わらずできるところから取り組んでほしい」と呼びかけた。

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