市・中高年ひきこもり支援 本人からの相談が4割 きょうだいニーズも顕在

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横浜市が昨年5月に「ひきこもり相談専用ダイヤル」と中高年向けの相談窓口を開設してから約1年。開設から今年3月末までの中高年(40〜64歳)からの新規相談件数は471件、そのうち約4割が本人、約1割がきょうだいからの相談だったことが明らかになった。市ひきこもり支援課は「中高年ならではの相談傾向がみえてきた。さらに周知したい」としている。

市が昨年度実施した「市民生活実態調査」では、40歳から64歳でひきこもり状態にある人は約2万人と推計。ひきこもり相談専用ダイヤル開設前は、「青少年相談センター」がひきこもりに関する相談を年齢を問わず行っていた。増加傾向にある中高年のひきこもり支援のため、昨年4月に同課を新設、5月に相談専用ダイヤルと相談窓口を新設。相談開始から約11カ月の傾向をまとめた結果、新規相談は471件だった(2021年度の青少年相談センターへのひきこもり電話相談件数479件のうち約2割が40歳以上)。相談件数について市は「多かったとは思っていない。まだ情報が届いていない人が多いのでは」と話す。

社会との接点の一歩に

専用ダイヤル開設前は、本人からの相談は少なく、割合として「親からの相談が多いと想定していた」と同課。相談傾向では本人からが42%、親からが26%、きょうだいからが11%だった。

「20年以上どこにも相談していなかった」という内容や、「社会と接点がなく孤独を感じている」50代の女性、実家にひきこもる親ときょうだいの今後を心配する相談など、中高年ならではの相談もあったという。

相談専用ダイヤルは電話相談員が常時2人で対応。471件のうち約2割は社会福祉職へ引き継ぎ、面談や関係機関と調整し、継続的に支援している。同課の担当者は「長年社会と接点がなかった人が面談にくるようになるなど、社会につながる第一歩としての役割を果たせているのではないか」と話す。

同課では「ひきこもりは誰にでも起こりうることで特別なことではない、という人権的な問題も含めて啓発を続けたい」としている。相談専用ダイヤルは【電話】045・752・8400。

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