教員らによる合著 『神奈川の関東大震災』出版 未来に向けた「記憶の場」に

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タウンニュース
社会
本を紹介する編集委員の鈴木さん

神奈川県の高校教員らを中心とした約20人による『神奈川の関東大震災100年後の視点』が8月25日、出版された。

2021年に高校・大学の教員チームが生徒や学生に向けて執筆した副読本『神奈川から考える世界史』の第2弾。関東大震災から100年の節目に、震災の「記憶の場」として後世に残そうと教員らが各地を歩き、現地を取材し執筆した。B5判189頁で税込2200円、えにし書房の発行。

第1部では横浜、川崎、鎌倉、三浦半島など県内各地の関東大震災の被災状況について、2部はテーマからみた神奈川の震災として、国際社会とのつながりや中国からの支援などを取り上げた。第3部は未来への教訓として現代の自然災害との向き合い方が提示されている。

朝鮮人虐殺の問題も

朝鮮人虐殺の問題にも触れるなど、現在も残る震災の痕跡を地図や写真を交えて紹介している。

同書の編集委員の1人で市立みなと総合高等学校の鈴木晶教諭(62)は市内のフィールドワークをもとに横浜の震災について執筆。「当時の日本の状況から教訓にできることはたくさんある。まちを歩きながら失われた生命、また防災に向き合ってもらえたら」と話した。同書の問い合わせは、えにし書房【電話】03・4520・6930。

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