横浜駅および周辺 災害時、142の電子看板活用 市、9事業者と連携

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タウンニュース
社会
デジタルサイネージに表示される防災情報(上)。東日本大震災で多くの帰宅困難者が滞留する様子=いずれも市提供

横浜市は、駅や周辺の大規模商業施設などに設置されているデジタルサイネージ(電子看板)を活用した災害時の情報提供を行うため、横浜駅周辺の9事業者らとこのほど覚書を締結した。7月19日から運用を開始した。

発災時における駅周辺の混乱防止に向けた取組の一環。横浜駅は6社9路線が乗り入れ、1日約190万人が利用する首都圏有数のターミナル駅。2011年の東日本大震災では多くの帰宅困難者が滞留し混乱が生じたことから、鉄道事業者、周辺事業者、自治会、行政機関らが連携し震災想定訓練や情報伝達体制の整備などに取り組んできた。市は今回のガイドラインとサイネージ内容の作成に約470万円の予算をかけた。

横浜市と覚書を締結したのは、駅周辺でデジタルサイネージを保有している9つの事業者((株)JR東日本ビルディング、(株)相鉄ビルマネジメント、相鉄ホテル(株)、東京建物(株)、三井不動産(株)、横浜シティ・エア・ターミナル(株)、横浜新都市センター(株)、(株)横浜ステーションビル、(株)ルミネ)。地上・地下合わせて142カ所の電子看板が活用される。

4カ国語で表示

震度5以上の地震が起きると緊急地震速報発表後から翌朝まで段階に応じた指示が4カ国語(日本語、英語、中国語、韓国語)で表示される。

発災から30分間は「係員の言うことをよく聞いてください」など身の回りの安全確保を促す情報を発信。その後、翌朝までは一時避難施設の周知などを行う。市の防災情報を知ることができる二次元コードも表示する。また津波警報が発令された際も同様に情報発信を行うという。

停電で表示できなくなった場合は、各施設の保有するバックアップ電力を利用する。画面が表示されない場合の対応として、災害時に活用できる市の防災情報を知る二次元コードなどを記載したポスターも各施設に配布された。一方、滞留者で混雑するとサイネージ自体が見えなくなることが懸念される。

秋には訓練も

10月から11月ごろにはサイネージを活用した訓練が予定されている。同駅東・西口の事業者と鉄道事業者、横浜市が合同で実施する。

山中竹春横浜市長は市の会見で「発災後、市民の皆様の行動をどう誘導していくかが重要だ」と話している。

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