㈱ポーラ 手指の感覚でメークアップ 中区社協で視覚障害者に

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社会
講師から自身に合ったメークの指導を受ける参加者

「みえない・みえにくい人とのメークアップ講習」が7月6日、中区社会福祉協議会の研修室で行われた。(株)ポーラ=本社・東京都品川区=と中区視覚障害者福祉協会の共催。市内各地から集まった視覚障害のある女性8人が参加した。講師は同社で新体操日本代表のメーク指導を行う美容コーチら7人が務めた。

見えないからこそ

スキンケアの指導では、手指で顔の部位一つ一つを触り、こめかみや鼻筋などの場所を確認後、手触りの変化で次の工程に移る目安を説明した。メークの個別レッスンでは左右対称にするために両手を同時に動かす方法を伝授。また、色のイメージを言葉で伝え、参加者のなりたいイメージとなるよう指南した。

生まれた時から全盲の渡邊美智子さん(69)は20歳の時にメークの仕方を一通り教わった。「メークをすると心がウキウキする。今までは基礎的なことだけだったので新しい挑戦ができた」とはにかんだ。

同社は2022年の10月と11月に視覚・聴覚障害者のアテンドスタッフに向けた「鏡を使わないメークレッスン」を実施。その情報を目にした中区で視覚障害者を支援するボランティアグループ「KAMEの会」スタッフが働きかけ、今回の講習が実現。講師を務めた中岡弘喜さんは「人と接したり見られている以上は美しく、よりよく見られたいという気持ちは変わらないと思う。今後も障害がある人へのメソッドを開発し、多くの人にメークを楽しんでもらいたい」と話した。

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