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写真やイラストをふんだんに用いて横浜港の歴史を解説した一冊『横浜港埋立と築港の技術と歴史』がこのほど、(公財)帆船日本丸記念財団から発行された。開港前の吉田新田にはじまり、日本初の近代ふ頭整備、戦争・接収を経たその後の発展、そして現在までを網羅。横浜みなと博物館ミュージアムショップで販売されている。
2022年6月の横浜みなと博物館のリニューアルに伴い新設された展示室「埋立と築港の技術と歴史」の内容をまとめるとともに、展示では語りきれなかったエピソードを収録する。
江戸時代初期、吉田新田から始まった横浜港の埋立、開港前後の横浜港、戦争・接収を経た根岸湾臨海工業地帯づくりと国鉄根岸線の開通、現在進められている新本牧ふ頭の埋立まで時系列で約370年におよぶ港の変遷を紹介。埋立が行われた背景や海洋土木技術、横浜の都市基盤に与えた影響などを当時の写真や図版、イラストで分かりやすく記した。
巻頭には、横浜市出身の写真家、森日出夫さんが撮影した1975年から現在までの港の写真を全面フルカラーで13頁に渡り掲載。巻末には横浜港の埋立と築港の歴史が臨海部に位置する区(鶴見区・神奈川区・西区・中区・磯子区・金沢区)ごとに一目で確認できる年表を差し込んだ。
同書籍の出版は横浜港に愛着を持ってもらおうと企画された。また子どもたちが港に憧れを持ちファンになってもらえるようにとの思いが込められている。A4判フルカラーの88頁で税込1000円。編集は横浜市港湾局が手掛けた。
同局の桑山孝仁さんは「歴史と一緒に港の土木技術を紹介しているのが特徴。子どもたちに技術も知ってもらいたい」と話した。
既に市立の小・中学校には各校の図書館などに1冊ずつ配布されることが決まっているという。
遠方在住の希望者にも対応するためオンラインでも販売している。同書に関する問合せは同局新本牧事業推進課【電話】045・671・7390。