金沢動物園 希少種保全園に認定 市内初、繁殖実績など評価

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タウンニュース
社会
金沢動物園で飼育するアラビアオリックス、アマミトゲネズミ、ミヤコタナゴ、インドサイ(上段右から時計回り、提供:金沢動物園)

金沢区釜利谷東の金沢動物園(小國徹園長)がこのほど、環境省から「認定希少種保全動物園」の認定を受けた。2021年から飼育するアマミトゲネズミの生息域外保全の取り組みなどが基準に適合し、横浜市内で初の認定となった。

認定希少種保全動物園とは、希少野生動植物種の取り扱いが一定の基準に適合した施設を環境大臣が認定するもの。国内に生息する希少動植物の繁殖促進、種の保存などを進める取り組みなどが基準となり、これまでには国内で動物園9施設、水族館4施設、植物園1施設の合計14施設が認定されている。

個体移動を円滑に

各地の動物園などでは絶滅危惧種を守るため、保護したうえで増やして絶滅を回避する「生息域外保全」を促進している。生息域外保全を進めるには、繁殖などのために施設間で動物を移動させる必要があるが、現状は規制によって個体の移動には時間がかかる。しかし、認定を受けた施設は規制が適用されなくなるため、認定施設間での個体のやりとりが円滑になることが期待される。

同園は開園以来、アラビアオリックスやインドサイなどの大型希少草食動物の繁殖に成功。さらに園内の「身近ないきもの館」では国の天然記念物にも指定されるミヤコタナゴの繁殖も継続的に行っている。引き続き希少生物の保護・繁殖を進めていくため、18年9月から認定に向けた準備を開始。21年から繁殖を目指して飼育するアマミトゲネズミの取り組みなどが基準に適合し、今年2月28日付で認定された。

小國園長は「認定まで長い歳月を要したので、大変うれしく思う。引き続き他園館と連携しながら生息域外保全を促進していきたい」と話した。

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