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横浜市は4月3日から、断熱性能などが高い「省エネ住宅」への住み替えに対して、最大100万円を補助する制度を新たにスタートした。市内人口が減少するなか、子育て世代の定住・転入を促進するほか、省エネ住宅の普及や空家の流通を図る狙いがある。
市が新たな子育て支援策の柱の一つに掲げた「省エネ住宅住替え補助」。2022年1月1日時点の推計人口が前年同期より戦後初めて減少に転じ、人口流出に歯止めをかける施策が急務であることから、補助制度の新設に至ったという。
市内では賃貸など持家以外からの住み替えが条件で、4月1日時点で18歳未満の子がいる世帯、もしくは夫婦のいずれかが49歳以下の世帯が対象。昨年10月に国が新設した省エネ等級最上位の7または6の新築住宅、窓などの断熱改修と新耐震基準に適合したリノベーション住宅の購入に70万円、市外からの転入は30万円が加算され、最大100万円が補助される。予算は1億円。
昨年度に全世代を対象にした「省エネ住宅補助」をモデルとして10件ほど行ったが、今年度は約100件に枠を拡大し、昨年12月に決定した中期計画に基づいて子育て世代の定住や市外からの転入促進に力を入れたという。市建築局の担当者は「断熱性能が高い省エネ住宅は結露を抑え、アレルギーの原因となるカビやダニを減らすほか、防音効果が高く子育て世代に最適。冷暖房の光熱費が抑えられ、結果ローコストにもつながる」と説明。申請は23年4月3日から、予算がなくなり次第終了。設計段階から予約申請することも可能。国の省エネ住宅補助との併用ができる。
一方、現在市が対策を行なう空家は約2万戸あり、今回の補助を活用したリノベーションによる空家の流通も期待されている。中区の工務店は「申請開始前から既に何件か問合せがあった。予算に限りがあるので迅速に対応したい」と話した。市では今回の補助対象世帯をモデルとしてアンケートなどを実施し、来年度以降の支援拡大に向けて検証していく。