西区の15歳少女 平和考察にパレスチナへ 帰国後、冊子制作や講演も

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事前学習会の様子。津高さん(右)と貴子さん
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老松中学校3年生の貴子さんが3月11日、中東の被占領地であるパレスチナへ向けて出発する。新たな平和学習のプロジェクトとして西区のNPOが企画した。4月から高校に進学する貴子さんは「自分の目で見て、自分の頭で平和について考えたい」と話す。

このスタディツアーを企画したのは西区東ヶ丘の特定非営利活動法人コネクション・オブ・ザ・チルドレン(加藤功甫代表/以下、CoC)。CoCは国籍や文化、障害に関わらず誰もがつながれる社会の実現を掲げ、2010年から教育や国際交流等の事業を行う。

今回、パレスチナに旅立つ貴子さんは、CoCが毎月開催する「世界の朝ごはん」などに参加してきた。その中で、CoCのメンバーの一人で、これまでフィリピンやアフガニスタン、南スーダンなどの紛争地で国際赤十字社などの国際機関の一員として人道支援に関わってきたその道のエキスパート、津高政志さん(39)と出会った。

医療従事者だった祖母の仕事にあこがれていた貴子さん(当時、小学5年)は、津高さんの活動を知るにつけ、海外で医療従事者として人道支援に関わりたいという思いを強くした。

コロナの影響で海外渡航が実現していなかったが「現場に行ってみたい」という貴子さんの思いは強く、昨年5月ごろに津高さんに相談。津高さんの人道支援活動の原点でもあるパレスチナ行きが決まった。

「自分で考えたい」

昨年11月から、貴子さんと津高さんとの事前学習が始まった。パレスチナの歴史や文化などを事前に学び、人道支援のエキスパートと同行することで、より深い体験と理解を可能とするためだ。

3月2日にはCoCの活動拠点で出発前最後(6回目)の学習会が行われた。持ち物リストや航空便、また現地での大まかな行動予定などの確認が行われた。東京から香港を経由してイスラエルのテルアビブを目指す。移動は約17時間に及ぶという。旅は津高さんと看護師の資格を持つ女性の3人で行動する。

貴子さんは「自分の目で見て、自分の頭で平和について考えて、平和とは何なのかを人に伝えていきたい」と話す。帰国後、パレスチナで感じたことや考えたことを7月ごろまでに冊子にまとめ、日本各地の学校などで講演や一緒に平和を考える会の開催を予定している。

CoCは13日まで、同行者の渡航費や冊子制作費のクラウドファンディングを実施している。

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