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温室効果ガス排出量を2030年度に13年度比50%削減を目指す横浜市は1月、施策の方向性などを定める「地球温暖化対策実行計画」を改定した。7つの基本方針を定め、それを導く5つの重点取組を新たに設定。50年までの脱炭素化「ゼロカーボンヨコハマ」の実現に向けて、取組を一層推進する。
同計画は11年に策定され、14年と18年に改定された。市は、21年に脱炭素社会の形成の推進に関する条例を施行。昨年2月に30年度の温室効果ガス削減目標を13年度比30%減から、国の46%減を上回る50%減を掲げ、その実現に向け今回3回目の改定を行った。
重点取組の第一には、エネルギー関連産業が集積している横浜臨海部の脱炭素イノベーションの創出を掲げる。具体的には、水素など次世代の再生可能エネルギーの活用を促進し、国や企業などと連携することで「カーボンニュートラルポート」の形成を推進する。
また、環境と経済の好循環を図るのも今改定の特徴。中小企業の脱炭素経営への移行を、市と民間金融機関が連携し、相談体制や融資制度など支援を充実させる。
そのほか、都心部や郊外部の特徴に合わせた脱炭素化のまちづくりや、ライフスタイルへの浸透、市役所が率先して、公共施設にLED照明を導入することや公用車を次世代自動車にするなどの施策を盛り込んだ。
市温暖化対策統括本部調整課によると、これまでと同様のペースで温暖化対策を実施すると30年度の排出量の推計値は43%減の見込みであり、目標達成のための残りの7%は家庭やエネルギー転換、運輸部門で配分し削減していく必要があるという。中でも、家庭のエネルギー消費量は、全体の約3割と最多。重点取組の一つには、太陽光設備や次世代自動車の導入を促すキャンペーンを展開する方針も盛り込んだ。担当者は「一人ひとりが脱炭素の意識を持って、行動していただくことが大切」と話した。