学生起業家にユース賞 男女共同参画貢献を評価

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共同創業者の関さん(右)と菊原さん

備蓄食などを有効活用するためのマッチングプラットフォームを運営する(株)ストックベース(関芳実代表取締役)=中区相生町=が1月16日、横浜市男女共同参画貢献表彰のユース賞を受賞した。2021年4月に横浜市立大学の現役生2人が創業した同社。起業を目指す若い世代のロールモデルとして高く評価された。

この表彰は、男女共同参画社会の実現に向けた積極的な取組や模範となる活躍をした個人・団体の功績をたたえる横浜市の事業で12回目。功労賞のほかに、今年度から推進賞に替わりおおむね35歳以下を対象とするユース賞が設けられた。

功労賞は就労支援を通して女性の社会進出に貢献する(株)ジョビア=神奈川区=の吉備カヨ社長が受賞している。

ユース賞初代受賞者となったストックベースは、横浜市大の学生である関芳実さん(22)と菊原美里さん(23)が2年前に共同創業。関さんが授業での取組をきっかけに、廃棄物の削減・循環型社会の実現を目指そうと、菊原さんと共にモノを循環させる仕組みを事業化した。関さんが代表取締役、菊原さんが取締役を務める。

現在は、消費期限切れとなり廃棄されてしまう企業や団体の備蓄食などを有効活用するため、備蓄食の提供を希望する個人や団体とつなげるマッチングプラットフォームを運営。備蓄食提供者は、森ビルや三井住友銀行、富士通エフサスなど大手企業が名を連ねる。提供を希望する団体は、フードバンクや子ども食堂など200を超えるという。

若手のロールモデルに

ユース賞受賞を受け、菊原さんは「男女共同参画のロールモデルとして評価され、うれしい」と話した。また、欧米の企業と比べ管理職に占める女性比率が低いなど、男女共同参画が進んでいない現状について関さんは「女性は家事や育児をするというイメージがある。それを変えていくためにも、女性が活躍する姿を発信していくことが大切」と話した。

1年間休学を経て、今年3月に大学を卒業予定の2人。今後は大学生という肩書がはずれ、事業だけで勝負していく。まずはマッチングプラットフォームを拡充し収益性を上げることを掲げる。その上で、備蓄食を必要な人や団体につなげるだけでなく、加工して付加価値を付け販売するなど新規事業も構想する。

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