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2023年の幕開けにあたり、本紙は中区の小林英二区長にインタビューを行った。ウィズコロナの地域の元気づくりや、つながりづくり、地域防災、SDGsをテーマとした施策の推進など、区民の声に耳を傾け、取り組んでいく姿勢を示した。
――昨年は4年ぶりに区民祭り「ハローよこはま」が実施されるなど、地域に活気を取り戻していった1年だと思います。その評価は。
「区民祭りは約6万5千人にご来場いただき、無事盛況に終えることができました。コロナ禍で大規模イベントが実施できたことは我々にとって自信となりました。感染対策やワクチン接種などが大前提としてありますが、みんなで一つの目標に向かって力を合わせることは結束力が高まりますし、やっぱり良いことですね」
――イベント実施は経済の回復につながったのでしょうか。
「人出は戻ってきていますが、経済回復に直結ではありません。最近ではコロナ以前よりも多くの方が街を訪れているという声も伺いますが、回復したとは言い切れません。ただ、こうした実績の積み重ねが回復につながっていくのではないかと。10月には中区を拠点とするバスケチーム・横浜エクセレンスとホームタウン連携協定を結びました。引き続き皆さんと力を合わせて活気を取り戻していきたいです」
――SDGsに関する施策推進の評価は。
「毎月第2週の水曜日に区役所別館横でSDGsマルシェを実施するなど地道に普及活動を行い、だいぶ定着してきました。次年度は地元企業とコラボし、より一層の推進を図っていきたいと考えています。また、廃棄されてしまう花に新たな価値を生み出す『ロスフラワープロジェクト』も始めました。中区には結婚式や講演会などイベントを行うホテルや会場も多く、花が使われる場面も多いです。また区内には区の花であるチューリップもたくさん咲いていますし、ガーデンネックレスの会場であったり花は身近です。区の特性を活かしたこの取り組みは、今年も力を入れて進めていきます」
――防災対策は。
「区内住宅の74%は共同住宅のため、マンション防災は重点的に取り組んでいきます。マンションも戸建も同じですが、となり近所の助け合いや日頃からの備えは重要です。そのための啓発活動は引き続き取り組んでいきます。小中学校やインターナショナルスクールなどでも啓発活動を積極的に行います。また中区は来街者も多いので、災害の備えや避難に役立つアプリ『横浜市避難ナビ』などの利用も促進していきたいと思います」
――そのほかの重点施策はいかがでしょうか。
「市が進める横浜市中期計画では、『子育てをしたいまち、次世代を共に育むまち、ヨコハマ』が基本戦略になっており、中区としても、地域に密着した子育て支援を進めていきます。多文化共生については横浜市立大学や新キャンパスが開設する関東学院大学とも連携し、大学の専門的な知見もお借りしながら取り組んでいきたいと考えています。新たな日常を見据えた街のにぎわいづくりやつながりづくりをキーワードに、スピード感と区民目線を意識して取り組んでいきます。
――今年の抱負は。
「区民の皆様と誠心誠意向き合ってお話し、今までのやり方にとらわれず柔軟に対応していきます。2027年の区制100周年の準備も進めながら、私も率先して地域に出て地域の方々と顔を合わせてお話をし、絆を紡いでいきたいです」