タウン記者がゆく 小学校のウサギを探せ

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タウンニュース
社会
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記者が小学生だった昭和時代。「ウサギは小学校で飼う生き物」というイメージがあった。しかし今、取材先で訪れる中区西区内の小学校では見たことがないような…。小学校のウサギの飼育状況を調べてみた。

中区西区内にある公立小学校18校に電話調査を行ったところ、中区内でウサギを飼っているのは北方小、元街小、本町小の3校。西区内では一本松小の1校のみ。「つい最近までいたけれど、亡くなってからは新たに飼っていない」という声も多かったが、いずれにしても現在飼育している学校はわずかだった。ウサギ以外に飼っている生き物としてはメダカなどの魚が人気で、カメ、モルモットを飼っているという学校も。ニワトリやインコなどの鳥は、「鳥インフルエンザ」発生以降、飼う学校が激減したという。

横浜市教育委員会小中学校企画課の2021年度調査によると、市内340校の公立小学校のうち、ウサギを飼っている学校は約55%。頭数は約320頭で、10年前と比べると半分ほどになっている。

飼いやすさで人気

文部科学省の小学校学習指導要領には「動物を飼ったり植物を育てたりして、それらの育つ場所、変化や成長の様子に関心をもち、また、それらは生命をもっていることや成長していることに気付き、生き物への親しみをもち、大切にすることができるようにする」と明記されており、低学年の生活科の学習内容の一つに位置付けられている。市教委では「ウサギは鳴かず、攻撃性も低く飼育しやすいため、多くの学校で飼っていたのでは」と推測。しかし、長期休み中の飼育や教職員の負担、金銭面などにおける学校状況が変化。またコロナ禍で多くのふれあい活動が制限される中、西区の一本松小学校では現在、児童による飼育は中止しており、代わりに職員室アシスタントが行っている。各学校ではウサギの飼育に代わる体験として、魚を飼ったり、動物園で機会を創出するなど模索している。

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