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横浜市風力発電所(以下ハマウィング)を運営する横浜市がこのほど、風車設備の建替えを想定したサウンディング型市場調査(個別対話)を実施すると発表した。風力発電事業に関心のある事業者と対話し、民間事業者との協働による事業継続の可能性を探る。
ハマウィングは、市の職員の提案から2007年に神奈川区の瑞穂ふ頭内に設置され、16年間稼働し続けてきた。年間の発電量は約210万kWh(キロワットアワー)で横浜市の一般家庭の年間消費電力量の約500世帯分に相当している。また、年間二酸化炭素削減量は杉の木約10万本分と同等だという。
現在、ハマウィングで作られた電力は、北欧スウェーデン発の家具販売を行うイケア港北店とハンバーグレストラン「びっくりドンキー」の青葉台店と鶴見店で使用されている。運営事業費は、その売電収益と事業者の協賛金により、維持管理などの運営を行っている。
横浜市唯一の風力発電所であるハマウィングは、環境や再生可能エネルギーをイメージさせるシンボル的な存在であり、横浜港湾部の象徴的景観の一つともなっている。
施設は、一般の人が自由に立ち入ることができないため、見学会を企画した時や団体の受け入れ時に見学ができる。地球温暖化対策や再生可能エネルギーが注目されていることもあり、小学生の社会科見学や外国人なども視察に訪れ、今年4月から11月までに千人以上が訪れているという。
今回のハマウィングのサウンディング型調査は、施設の老朽化が進んできたことから、建替えを想定し実施されるもの。市の職員によると、風車設備は20年ほどで、建て替えが必要であるとされている。そのため、今の段階から民間事業者と個別対話を図りながら、公募手法や事業期間、採算性、横浜港湾部の立地を生かした事業提案など、現在の立地での事業継続可能性を探る狙いがある。
同調査の対象者は発電事業(設置、維持管理、撤去、企画など)に関心のある事業者が対象で、1月25日(水)まで申し込みを受け付けている。市の担当者は「民間事業者の方に様々なヒントをいただきながら、今後の事業の可能性を考えていきたい」と話す。