「昆虫食」ブームが到来?   JR関内駅前に自販機 県内2台目

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昆虫食いかがでしょう――。JR関内駅前の商業施設・セルテの駐車場前に登場した一際目立つ自動販売機。並ぶ商品は、コオロギクッキー、タガメサイダー、コオロギうま煮、セミの成虫、タランチュラ…。「虫って美味しいのかな?」食欲はそそられなかったが、好奇心旺盛な記者が取材を進めることにした。

まずはネットで検索。すると意外にも「栄養価が高い」「環境負荷が少ない」とポジティブな情報が出てきた。

2013年に国際連合食糧農業機関(FAO)が、この先、人口増加や地球温暖化で食料が足りなくなった時の解決策として昆虫食が有用と発表し、注目が集まった昆虫食。少量の飼料で高タンパク質を取ることができるため、SDGsな食料として、世界でも注目が高まっているという。

話題呼び売り上げ好調

自販機の側面に貼られている二次元コードを頼りに、自販機を管理する(株)ティ・アイ・エス=東京都=に問い合わせてみると、「おかげさまで話題になっています」と回答があった。

コインロッカーの設置や管理を手掛けている同社は、東京、神奈川、静岡で計10台の昆虫食の自販機を運営している。関内の自販機は相鉄線・瀬谷駅前の設置に続き、県内で2台目。セルテから「目を引く自販機を」と依頼があり昨年11月、導入に至った。

狙い通り話題性は抜群で、写真を撮る通行人が後を立たない。SNSなどでも広がりをみせ売れ行きは好調。設置から約1カ月で同社の運営する10台中1位だという。

「ブームが来ているように感じます」と同社新規事業推進部の近藤俊一さん。1台あたりの売上額は月平均20〜30万円で、過去最高は、東京都池袋のサンシャイン水族館に設置されている自販機で月100万円前後を売り上げた。昆虫食に可能性を感じた同社は12月、東京都上野に昆虫食を提供する飲食店を出店したという。近藤さんは「ブームが過ぎたら終わりの”一発屋”ではなく、持続可能な食料として広まってほしい」と期待を込める。

味はリンゴジュースとスナック菓子

記者が購入したのは、タガメエキスが0・3%入った「タガメサイダー」とコオロギやイナゴ、カイコなどが入った「昆虫ミックス」。

サイダーは蓋を開けると、漂う青リンゴのような香り。味もフルーティーで、虫や甲殻類の味もせず美味しい。昆虫もカリッとした食感でスナック菓子のようだった。ヨーロッパイエコオロギを食したという20代男性は「これ以上の表現は難しいかと思うくらい骨せんべいでした」と話していた。

自販機にはそのほかにも、サソリや竹虫、アメリカミズアブの幼虫など海外から輸入した昆虫をはじめ、京都、山形、広島など産地が書かれた全国各地のコオロギなどバリエーション豊かに25種類ほどの商品が並ぶ。一番人気は同社発案の「お楽しみ缶」。同社の近藤さん曰く「少量の油をかけてレンジで温めると揚げたてのようで美味しくなる」という。価格は450円〜2600円。

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