寿地区 「コロナの不安 相談してね」 簡宿 ポスターで呼び掛け

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タウンニュース
社会
制作したポスター(拡大版)を持つ飯島さん

新型コロナウイルス感染症の「第8波」が到来し、全国的に感染者数が増加傾向の中、寿地区の一部の簡易宿泊所(簡宿)は、コロナの症状や罹患(りかん)者への支援を説明するポスターの掲示を始めた。体調がすぐれない時は「無理せず相談して」と呼び掛けることで、簡宿内での感染拡大防止に努めている。

「陽性者の登録手続きのお手伝いします」「電話が無くても大丈夫」「ご飯などの買い物をします」「コロナになっても『出ていけ』とは絶対に言いません」――。寿町の簡宿・大和荘では「コロナになった方に大和荘ができること」と題したポスターを、帳場近くの掲示板に貼りだしている。

トイレや風呂、エレベーターなど共有スペースがあり、基礎疾患がある人も多く利用する簡宿の感染対策は必須。そのため、利用者自身が感染したことに気づいた場合、帳場に報告や相談をしてもらう必要がある。そこで、大和荘を運営する(有)ヤマトの取締役、高山清美さんがポスター制作を発案。目に付きやすいところにコロナの症状や支援に関する内容を掲示することで「コロナがタブーな話題ではなくなり、コロナについて話したり相談したりするきっかけになるはず」と高山さんは話す。

介護従事者も安心

ポスターは、2020年4月に立ち上がった、寿地区の医療介護福祉や簡宿、行政の関係者らで構成される「寿コロナ対策Zoom会議」と寿地区内外の市民や団体、事業者、大学との連携および交流を推進する協働のための施設「市ことぶき協働スペース」が協力し制作。今年9月頃から掲示を始め、現在5つの簡宿で掲示されている。制作を手掛けた同スペースの飯島未来さんは「簡宿を訪れるヘルパーさんや介護従事者の方の安心にもつながるはず」と期待を込める。

今後、年末年始にかけて陽性者が増え病床がひっ迫すると、利用者は簡宿で療養することになる。高山さんは「薬の管理や安否確認など、サポート体制は整えている。隠さず気軽に相談してもらいたい」と話していた。

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