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中区の吉田町本通りで11月26日(土)、神奈川県内で獲れたシカ肉などの料理が味わえる「横浜ジビエフェスタ」が初開催される。イベントを通じて、ジビエの美味しさやニホンジカを管理捕獲している現状を知ってもらい、地域活用につなげるのが目的。
ジビエとはフランス語で、狩猟で得た野生鳥獣の食肉を意味する言葉。近年の「ジビエブーム」から、飲食店で気軽に食せる機会も増えているが、「ビアガーデン形式でジビエ料理を楽しめるイベントは、市内では初めてだと思う」と、主催の吉田町名店街会(吉田和正理事長)。神奈川県猟友会=中区本町=の有志メンバー協力のもと行われる。
現在、国内ではシカやイノシシが増加し、農作物や植物の食害、スギ・ヒノキなどの樹皮剥ぎといった被害が深刻化している。農林水産省によると農作物への被害額は160億円以上(2020年度調べ)にも上り、被害の恒常化から農業離れや、植生劣化による土壌流出、森に住む生物の生存危機にもつながっているという。
県内でも山北町や秦野、厚木などの丹沢山地を中心にニホンジカによる被害が多く、神奈川県では2003年から環境保全のため管理捕獲を実施。年間約3千頭を捕獲しているが、食用としての流通が確立されておらず、利用されずに廃棄されているのが現状だという。今回協力しているメンバーの1人は、「イベントを通じて、県産ジビエの価値や命の大切さも伝えていきたい」と話している。
当日は吉田町のほか、周辺の関内や野毛から約15店の飲食店が参加予定。ビストロや居酒屋、イタリアンバーなど様々なジャンルの店が、鹿肉を使ったグリルや煮込み料理、ラーメンなどのオリジナルメニューを提供。歩行者天国の屋外スペースで、アルコールやライブを楽しみながら味わえる。会場には県猟友会のブースも設けられ、情報発信を行う。
吉田町イベント実行委員長の倉本淳哉さんは、「ジビエはヘルシーで美味しいと人気。年々参加店やエリアを増やし、ジビエで市内の飲食店を盛り上げられたら」と期待している。
開催時間は正午〜午後5時。雨天時は翌日に順延。イベントの問合せは吉田町名店街会【電話】045・261・1120。