国際熱帯木材機関 国内初の純木造ビルを視察 脱炭素社会へ協調期待

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タウンニュース
社会
ビル内部を見学する様子

みなとみらいに本部を置く国際機関「国際熱帯木材機関」は11月10日、関内地区にある(株)大林組の研修所で、国内初の高層純木造耐火建築物「PortPlus」を視察した。熱帯林資源の保全や活用を促進する同機関が、大林組が行う効果的な木材利用に賛同し実現した。

当日は、アメリカやブラジル、ニュージーランドなど同機関の加盟国代表団21人が参加。大林組の同ビル設計者らが各フロアを案内し、建築技術やコスト、木材に関する問いに答えた。「将来的に熱帯木材を構造部にも使用する予定はあるのか」という質問に対しては、同社は「海外からの輸送にかかるコストや期間はテスト中だが、将来的に視野に入れている」と回答。50年を目途とした木材使用の同社の循環型の建築構想「ループ50」についての説明には、参加者が感心して頷く様子が見られた。

同ビルは今年3月に完成し6月から利用を開始。地上部の柱や梁などを全て木材で構成されており、純木造耐火建築物としては、国内最高となる高さ44mの地上11階建て。材料製作から廃棄まで、鉄骨造と比べて約40%のCO2削減効果があり、耐震性や耐火性も独自技術で対応するなど、多方面から注目されている。

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