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馬の博物館=中区根岸台=では10月1日から12月4日まで、秋季特別展「江戸狩野派と馬」を開催している。
同館がこれまでに収集してきた作品の中には江戸狩野派の絵師たちによる馬の絵が多く含まれており、今回の特別展ではそれらに借用作品や新収蔵作品などを加え、馬が描かれた26点を展示している。
狩野派は室町幕府に御用絵師として仕えた狩野正信を祖とする画派で、江戸幕府が開かれた後、狩野探幽やその弟の尚信、安信等を中心とする集団が「江戸狩野派」と呼ばれている。江戸狩野派は、江戸城の障壁画や外交儀礼の際に贈答品となる屏風の制作等の国家事業を担い、諸国各藩の大名に仕えた藩絵師の多くも江戸狩野派に学んだ絵師たちだったという。
また江戸狩野派は、武家政権と強く関係した画派ともいわれる。武家諸法度に「文武弓馬の道」と記されるように、武士にとって馬は欠かせない存在で、馬も武士の権威と強く結びついた動物。そのため、狩野派は多様な画題を手がけた画派である一方、狩猟図や合戦図といった武士の理想像や教訓、権威を示す絵の中には馬が重要な役割を果たす画題が多くあるといい、人と馬の関わりから生まれた文芸作品を数多く生み出してきた。
同館では「本展を通して、日本最大の画派とも言える狩野派が描いた馬の絵を楽しんでいただければ」と来場を呼び掛けている。
前・後期で一部作品の展示替えあり。前期は10月30日まで。後期は11月2日から12月4日まで。時間は午前10時から午後4時半まで(入館は4時まで)。入館料は大人200円、小・中・高校生30円。毎週土曜日は小・中・高校生無料。会期中の休館日は毎週月曜日と11月1日。