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市立老松中学校の吹奏楽部が8月10日、神奈川県吹奏楽コンクール「中学校の部B部門」で金賞に輝き、西区で初となる東関東大会の出場を決めた。今年は中区・西区からB部門で東関東に進んだのは老松中だけ。同大会は9月17日に千葉県文化会館で行われる。
出場したB部門は、30人以下の編成で演奏曲を自由に選ぶことができる。そこで老松中吹奏楽部が選曲したのは、美しいメロディーで構成される喜歌劇『微笑みの国』セレクションだ。現在、部員数は40人。出場する30人は、3年生と2年生の全員、一部の1年生で編成される。
同吹奏楽部は、数年前まで横浜支部大会において金・銀・銅のうち低位の銅賞ランクだった。昨年は支部大会で銀賞を受賞し、部員一同、歓喜したという。一方、県大会には金賞(12校)が条件となっており、越えるべきハードルは高かった。
そんな中、今年は支部大会で上位12校に選ばれ、さらに県大会では初の金賞を受賞。部長の森原莉里さん(3年)は「うれしさよりも、驚きが大きかった」と振り返る。また3年生の一人は、昨年、支部大会で銀賞を受賞したことで、さらによい演奏をしていこうという意識が部員全員に芽生えたと分析した。
入部以来、コロナ禍で練習に励んできた3年生の7人。最後の大会で初の東関東大会出場を決めた要因について「卒業した先輩から色々とアドバイスをもらった」「後輩も頑張って練習についてきてくれた」ことなどを挙げ、これまでの蓄積と学年を越えた一体感があったという。
吹奏楽部の顧問を務めて5年目となる新山真悟教諭(36)の指導が、生徒の実力を引き出してきた。3年生からは「みんなの思いをしっかり受け止めてくれる」「上下関係をつくらない」「優しくて明るい」という声が聞かれ、演奏しやすい環境が整う。
新山教諭がこれまで心がけてきたことは「部員が辞めない指導」だという。「もっともっと音楽を好きになってほしい」と話し、東関東大会の演奏曲は大人になっても聞くことができる魅力的な楽曲を選んだ。大会に向け練習に汗を流すが、「全力で演奏するだけ。結果は後からついてきます」と笑顔で話した。