中区在住 全盲の西郷さんが城巡り 視覚障害に理解を

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自作の甲冑を手にする西郷さん

視覚障害のある西郷光太郎さん(45)=中区在住=が、8月21日から日本200名城巡りを再開した。群馬の中山城をスタートし22日には長野の上田城を訪れた。

西郷さんは視覚障害への理解の広がりと、また当事者を勇気づけたいとの思いから城巡りを企画。2021年4月に開始し、小田原城や小机城など計8カ所を訪れたところでコロナ禍の影響から一旦休止していた。

巡る城は、(公財)日本城郭協会が選定した全国各地の「日本100名城」と「続日本100名城」の計200カ所を目標に掲げる。さらに、以前から興味があったという甲冑を専門家の指導のもと自ら2領を制作し、その甲冑(胴体部約10kg)を身に着けて城を巡る計画だ。

「城は外からの侵入を阻む要塞。視覚障害者にとっては今も訪れることが難しい城もあります。だからあえて城に行こうと思った」と西郷さん。

「誰一人取り残さない」

西郷さんは北方小学校、仲尾台中学校の卒業生で生まれも育ちも中区。以前はITエンジニアとして都内で働いていたが、過労から体調を崩し、「人がS時に歪んで見えたり、視野に黒い穴が現れたり」と視覚に異常をきたすように。そして09年ごろに視覚を失った。2年ほどの引きこもりも経験したが、元気で活躍する視覚障害者との触れ合い中から前向きになっていったという。

「『誰一人取り残さない』を掲げるSDGsの達成目標が2030年。それにあやかって城巡りも30年までに達成したい」と西郷さんは笑顔で語った。

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