【Web限定記事】西前小5年3組 パラ五輪代表の成田さんと交流 「生き方のヒントに」と谷口教諭

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来校した成田選手を囲んで記念撮影(谷口教諭提供)
5年3組の児童が送った応援旗を手にする成田選手。メッセージとともに児童に送った(同教諭提供)

3月13日まで「冬季パラリンピック」が北京で開催されており、改めて注目が集まるパラスポーツ。昨年夏の東京2020パラリンピックで招致委員を務め、また50m背泳ぎでは6位入賞を果たした競泳界のレジェンド・成田真由美選手(51)=横浜サクラスイミングスクール所属=が、昨年12月21日に西前小学校=西区中央2丁目=を訪れ5年3組の児童31人と交流した。

成田さんは川崎市出身。13歳で脊髄炎を発症し両下肢まひに。20代前半から水泳を始めた。1996年のアトランタ、シドニー、アテネ、北京、リオ、東京のパラリンピックに6回出場。アトランタ、シドニー、アテネの100m自由形、50m自由形では3大会連続で優勝、さらに複数の種目で金メダルに輝くなど日本のパラスポーツ界を代表する選手の一人。08年の北京大会後に一度現役を引退したものの16年のリオで復帰していた。また今年度の「横浜市男女共同参画貢献表彰」の推進賞を受賞している。

西前小5年3組の担任を務める谷口英幸教諭が成田選手と知り合いで、「子どもたちに本物の金メダリストの話を聞いてもらいたい」と講演を成田さんに依頼し実現した。

谷口教諭は25年前、赴任先の善部小=旭区=で、当時メダルラッシュで注目を集めていた成田選手の話を聞けたらと考え、児童の思いをしたためた手紙を送った。その手紙に成田さんは応え、同小で講演だけでなく水泳も披露するなど様々な交流を持ったという。それ以来、谷口教諭は成田さんと連絡を取り合う間柄だった。

クリスマスプレゼントに

東京パラ大会に成田選手の出場が決まったことから、大会開催前に谷口教諭は、児童による応援旗とメッセージを送ったという。大会で成田さんは見事50m背泳ぎで6位に入賞。閉会後には成田さんから子どもたちにお礼のメッセージと東京大会の記念鉛筆がプレゼントされたという。そのお返しに児童たちが東京大会での成田さんの活躍について感想と藍染のバンダナを送ったところ、成田さんから来校希望が示され、今回の講演が12月に実現した。谷口教諭は「クリスマスプレゼントになった」と振り返る。

心のバリアフリーに気づき

成田さんの話を聞いた後藤啓くんは「『辛い時は原点を思い出す。生きたくても生きられない命のことを考える』といった言葉に感動しました」と感想を寄せた。また高田紗帆さんは、施設などにある段差に触れ、「『なんでもスロープにしたらいい』ということでもなく、『自分のできることを尊重してほしい』ということは、あまり考えていなかったので、心のバリアフリーを特に心がけたいと思った」と振り返った。

谷口教諭は「成田選手は病気を克服して今がある。子どもたちにとって、成田さんの話が生き方のヒントになれば」と話していた。

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