「外国につながる若者」横浜市中区で単館上映 日本での暮らしを映画に

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タウンニュース
社会
監督・脚本を担当した林さん

なか国際交流ラウンジを拠点に活動する「外国につながる若者」たちが3月21日、自主制作した映画やアニメーションを横浜シネマ・ジャック&ベティ=中区若葉町=で上映する。今まで、横浜市開港記念会館など公共施設などでの上映イベントは実施してきたが、本格的な映画館での公開は初となる。

上映する作品は『「にじいろ」を探し求める私たち』と題した5分間のアニメーションと昨年制作した25分間の短編映画『恋がしたい』、そして2019年に制作した45分間の映画『向陽而生(こうようじせい)〜私らしく生きること〜』の計3本。

地域とのつながりで、これまでも多文化映画祭などを実施してきたミニシアター・ジャック&ベティの紹介を得て、映画館での上映が実現した。

映画を制作したのは、横浜で暮らす外国につながる若者たちで構成される「にじいろ探検隊」。なか国際交流ラウンジで開催されていた学習支援教室の卒業生たちが、高校進学後も安心できる居場所をつくろうと2017年に結成した。現在は、2期生、3期生が主に活動している。

映画づくりを始めたのは、1期生が18年に取り組んだ演劇が好評だったことがきっかけ。撮影機材が何もないなかで、スマートフォンを駆使して半年間で「向陽而生」を完成させた。あとの2作品は、2、3期生の10人が中心となり、撮影に臨んだ。

自己表現の場に

作品の監督や脚本を担当したのは、にじいろ探検隊の1期生で卒業後、同ラウンジで若手人材育成・地域連携強化コーディネーターを務める林錦園さん。映画は親の都合で日本で暮らすことになった若者が言葉の壁と異文化に苦労する心の内を描くものや、外国人であることにコンプレックスを持ちながら「自分らしく生きたい」と葛藤する若者を表現するなど、若者たちの内面を描いたストーリーで制作者自身の境遇を表現している。

林さんは「映画は、私たちの自己表現一つの活動。街にある映画館で初めて上映できるので、たくさんの人に知ってもらう場になれば嬉しいです」と話す。当日は観賞無料。上映後は、舞台あいさつも予定する。午前10時から入場整理券を配布する。

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