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横浜中華街発展会協同組合(高橋伸昌理事長)は、組合設立50周年の節目に記念誌『横濱中華街生業(なりわい)と文化』(税込7920円)を2月8日に発行した。有隣堂の各店舗などで販売されている。中華街の成り立ちからこれまでの街づくり、コロナ禍での発展会の取り組みまで、関係者のインタビューなどがふんだんに盛り込まれた一冊となっている。
この記念誌はA4判、オールカラー456頁。巻頭には春節や元宵節など中華街の四季を、また街の昔と今を紹介する写真が並ぶ。
横浜中華街で飲食や物販などを営む約390の会員からなる発展会。記念誌では中華街の各通りの地図や発展会会員の紹介、終戦前後の様子や中華街の文化とコミュニティについてなど歴史概観を解説。また「横浜中華街商い奮闘記」として、飲食店をはじめホテルや物販など中華街で生業を営む27人のインタビューを掲載する。
1993年に発足した横浜中華街「街づくり」団体連合協議会の会長で、発展会の3代目理事長を約20年務めた林兼正さんと、この記念誌の編さん委員として数多くの原稿を執筆した元副理事長で同協議会副会長の曽徳深さんらによる座談会も。そこでは中華街の「街づくり」の基本理念が語られている。
5代目の理事長を務める高橋さん自らも筆を執り、街づくり協定の内容や、街づくりに関する討論の内容について記事を書いている。
設立50周年の記念誌を制作しようと、2018年に李宏道前理事長のもとで編さん委員会が発足。その後、副理事長だった高橋さんにバトンが渡された。
当初は取材や編集を外部に委託する予定だったが、想定以上のボリュームと作業量になることから、14人の編さん委員を中心に手分けして担当。発行所は発展会となっている。
刊行は50周年にあたる昨年を目指したが、コロナ禍もあり1年延びることに。そして、「世界一のチャイナタウンが挑み続けた街づくりと発展のすべて」(記念誌の帯)が一冊にまとめられた。
高橋理事長は「中華街の過去、現在、そして未来が記されています。自分たちで歴史を調べながらつくった、まさにホームメイドの一冊。ぜひ手に取って欲しい」と話した。有隣堂の各店およびオンラインショップなどでも購入可能。