本牧神社の伝統神事「お馬流し」 456回目、災厄をお馬さまに託し コロナ禍に台風も無事斎行

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神前から総代の頭の上を渡しながら送り出さる「お馬さま」
祭礼船に見立てたトラックの上に安置されたお馬さま。荷台ではお囃子も
境内もすべて頭上を渡す

県指定無形民俗文化財に指定されている本牧神社の神事「お馬流し」が8月7日と8日に執り行われた。

8日には、本牧地域の災厄を託した6体の「お馬さま」を海上に流し去る同神事の代表的な場面が予定されていた。一方で7日未明から8日にかけて台風10号が関東に接近。その影響から8日の神事は開始を5時間遅らせる措置が取られた。

「お馬送り式」は午後1時に始められ、扇形をしたヒノキ板に載せらたお馬さまを総代らが頭の上を渡しながら一体一体、ゆっくりと渡し継いだ。

その後、祭礼船に見立てたトラックに載せられお馬さまは町内を巡行し、本牧漁港から漁船で海上に運び、無事に流し去ることができた。

456回目を迎えた同神事。コロナ禍のため昨年に引き続き、露店や盆踊り、また担ぎ手による神輿の町内練り歩きは見送られた。さらに今年は台風の影響もあり、海上に出れるかどうかギリギリまで判断が待たれるなど例年にない状況となった。

本牧神社の當麻洋一宮司は「お馬流しは地域の厄災を取り去るもの。コロナ、そして台風に見舞われたこのような時こそ、執り行う意味が増す」と話していた。コロナ禍であるものの、今年は本牧中と大鳥中の吹奏楽部による境内での演奏会が2年ぶりに復活した。

同神事は例年8月の第一または第二日曜日のどちらかに行われている本牧を代表する伝統行事。首の上はウマ、からだはカメの形をした、茅でつくったお馬さま6体に地域の災厄を託して本牧の沖合の海上に流しけがれを払う。

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