観光スポットだけじゃない横浜の魅力をお伝えする特集「丸りおなのぶらり商店街」。
毎回ナビゲーターのわたくし、丸りおながマイルートを使って”ぶらり”と散策しながら商店街や街の魅力をお伝えしていきます!
今回は、近年アートの街としても注目を集める黄金町や日ノ出町を中心としたエリアにお出かけします。どんなモノやお店に出会えるのか楽しみです!
最寄りの日ノ出町駅までは京浜急行を利用しました。
さっそくマイルートのアプリで現在地を確認!
<街歩きにはマイルートが便利です!>
マップを見ると歩いてすぐのところに桜の名所として有名な大岡川があるから、まずは川沿いをぶらり歩きながらアートをめぐろうかな。それでは「丸りおなのぶらり商店街」スタートです!
大岡川にたどり着くと何やら碑文のようなものが見えてきました。
日ノ出町が生んだ劇作家、長谷川伸さんの記念碑です。明治から昭和にかけて多くの歴史小説を残しています。横浜を歩いているとこのような碑文が至るところにあって勉強になりますね!
今回“ぶらり”する日ノ出町や黄金町、そしてお隣の初音町の三つを合わせて初黄日(はつこひ)商店会と呼ばれています。みなとみらいからそう遠くない場所なのに雰囲気がまるで違いますね。自然豊かで気持ちよくお散歩できそうです!
昔ながらの狭い路地に入ると、何ともにぎやかな建物が見えてきました。
こちらは「アトリエ日ノ出町」というアーティストの山田裕介さんが運営するアート教室で、地域の子どもたちから大人まで幅広い年代の方に利用されています。
<カラフルでポップなアートにテンションが上がります!>
さらにマイルートのマップを見ながら黄金町駅の方へと足を進めると、楽しい壁画アートがいっぱい出てきました!
<するめちゃん~黄金町探訪編~/サーモメーター>
大きなマンガ! 黄金町をテーマにした内容で、黄金ちゃんと日ノ出くんと初音ちゃんが出てきます(笑)。これなら遠慮なく立ち読みできますね。
「こちらのペンキを塗りつけたようなアートも素敵!」
<Here With You #1/スピーク・クリプティック>
時には心を無にして自分を見つめ直すのも大切ですよね!?
そして、前回のぶらり商店街で訪れたときにも見ましたが、やっぱりジッと見入ってしまうこちらのアート!
<#100年後に完成する町/イクタケマコト>
こちらは2021年まで黄金町にアトリエを構えていたイクタケさんが、「街に欲しいものと理由」を募集し構成した作品です。130件ほどの要望があったそうですよ!
イクタケさんに黄金町時代の思い出をお聞きすると、「黄金町バザールのとき、近くに住む老夫婦がフラッと来られて、外国人作家の作品を指さして『このモデル、私たちなのよ』と嬉しそうに教えてくれたのが一番印象に残っています。難解と言われている現代アートと地域が日常的に繋がっているのを目の当たりにした瞬間でした。こういう関係はずっと続いてほしいですし、さらに広がっていくことを期待しています」と嬉しそうに語ってくれました。心温まるお話ですね!
作品の中にはイクタケさんも印象深いという「鬼」が潜んでいるそうなので、ぜひ探してみてくださいね!
「鬼はどこにいるのかな~?」
アートを楽しみながら路地を進むと、川沿いの道と合流する開けた場所に出ました。高架下一面に大きな窓が不規則にデザインされたこちらの建物は、アートによるまちづくりを推進するNPO法人「黄金町エリアマネジメントセンター」がアーティストに貸し出している「黄金スタジオ」です。
<スタジオ内にはキッチンも!>
1区画ごとに大きな出窓があり、それぞれの空間が土間で繋がることで制作空間と日常空間を切り分けつつもお互いの存在を感じられるような構成になっています。アーティストの方がまちに滞在して作品を作り、大きな窓を通して道行く人に作品や活動を見てもらう、まさに垣根のない環境ですね!
<作品がそのまま街の景観にもなる!>
天気のいい日にアートを鑑賞しながらお散歩できるって、なんだかちょっぴりアーティスティックな気分にも浸れるしとっても良いですね!
日ノ出町駅から黄金町駅へとちょうど一駅分歩いたらお腹が空いてきちゃった!
今の気分にぴったりの、のんびりお食事ができそうなお店を探したいと思います。
やってきたのはこちらの「シャルドネ」。
森の中にある一軒家のような外観が雰囲気たっぷりですね!
表に掲げられた「CAFE RESTAURANT」というプレートがレトロな雰囲気を醸し出します。
<おしゃれ~!>
1986年創業のシャルドネは、ハンバーグやピザ、パスタなどを提供する洋食屋さん。近所にあれば毎日のように通いたい、そんな素朴な雰囲気が漂うお店です。
<光と影の調和が素敵!>
美味しそうな洋食がたくさんありますが、横浜の発祥グルメでもあるナポリタンから「黄金ナポリタン」をいただくことにします!
<可愛らしいナポリタンとご対面~>
もともとトマト味のスパゲティを提供していて、お客さんの要望や地域興しのためにもと10年ほど前にこちらのナポリタンを開発したそう。半熟の目玉焼きがインパクトある輝く一品です。
「いただきま~す!」
期待を裏切らない素朴なナポリタンのお味!
それでいてマイルドな深みもあって、さらに目玉焼きの黄身を少しずつ割りながらパスタに絡めていただくと味変も楽しめます!
<かわいいお店の手ぬぐいを見つけたよ!>
美味しいナポリタンをごちそうさまでした!
最後にお店の方との記念ショットをパシャリ。
ここで、長きにわたり日ノ出町を中心とする大岡川流域を見つめ続け、現在は「初黄・日ノ出町 環境浄化推進協議会 会長」「大岡川川の駅運営委員会 理事長」を兼任する伊藤哲夫さんにお話をうかがいました。
伊藤さんは日ノ出町の大岡川に面する一角に「遊膳グレビー」という和洋折衷のお店を構えています。お店の歴史だけでもこの場所へ移転して35年、プライベートではさらにそれ以上の年月を大岡川と共に過ごされてきました。
<創業当時から変わらない秘伝のグレビーソースを使った近江牛のビーフシチュー>
そんな伊藤さんが窓の外に見続けてきた大岡川周辺の様子は、特に平成に入ってから大きく変わったと言います。
<現在のお店から望む大岡川と長者橋>
「以前はヘドロが目立ち、お世辞にも綺麗な環境とは言えませんでしたが、特に平成に入ってからは横浜市が中心となって川の浄化に力を入れたことで変化が生まれました。大岡川桜まつりが始まり、用途の異なる二つの桟橋が整備されるなど、見るからに町の景観が向上しましたね」
<動力船が停泊できる横浜日ノ出桟橋>
<SUPなどに利用される大岡川桜桟橋>
「川好きの店主がたくさんいて、皆で川をなんとか綺麗にしようという共通の思いがありました。桟橋の整備など地域主体でアクションを起こしてきたのです」
SUPで行う大岡川のゴミ拾いや、川の周辺の掃除、あるいは月に一度アーティストの方も参加して大々的に行う防犯パトロールを兼ねたクリーン活動など、現在も進行形で景観の向上に努めているそうです
<川沿いに設置された緑化プランター>
読者の方に向けたメッセージもいただきました。
「この地域は大岡川と桜が宝物です。昔に比べて周辺環境も大分良くなり、イベントも多く行われるようになりました。今後は更なる川の活用として、本格的な運河としての整備を進めているところです。桜のシーズンのみならず一年を通してお楽しみいただけると思いますよ」
伊藤さんのお話をお聞きしながら、お店の中に物思いにふける女の子のアートを見つけました。
<黄金町の情報発信などを行う竹本真紀さんの作品「トビヲちゃん」>
「すぐ近くの県道には昔は多くの問屋が軒を連ね、今でもその名残りがあります。一般向けに販売しているお店もありますし、そうした問屋街をめぐってみるのも風情があって面白いかもしれませんね。ぜひトビヲちゃんも探してみてください」と、街歩きのアドバイスをいただきました。せっかくなのでこの後は問屋街をめぐりましょう!
伊藤さん、貴重なお話をありがとうございました!
それではお散歩に戻りましょう。ここからはアートからガラリ一変して問屋街めぐりです!
まずは大岡川沿いにある「塚田商店」から。
「さっそくトビヲちゃん見つけました~!」
1931創業の老舗の履物問屋さんで、今年で創業91年目を迎えました。横浜市内や湘南エリアを中心に卸売事業を展開していて、今回は取材の為に特別に商品をご用意いただきました。
畳の踏み心地が幸せそうな草履は愛知県で作られたもの。
徳島県で作られたこちらの白いサンダルは、原料(樹脂)100%で滑りにくく、冬でも柔らかくしなやかな履き心地が特に漁師の方に好評とのことです。
<「漁サン」の愛称でブームにも!>
どれもメイドインジャパンで嬉しくなってしまいますが、後継者不足などの問題であと20年後にはどうなるか分からないといった現実もあるそうです。何とか日本のモノづくり文化の灯を未来に伝えていきたいですね・・・。そんなお手伝いもできるといいな!
3代目の塚田さんはドラマーとしての顔ももっていて、街のイベントの際に機材の貸し出しなども行っているそうです。お言葉に甘えて少し触らせてもらうことにしました!
<丸りおな、まさかのドラマーデビュー!?>
塚田さんのご指導を仰ぎながら、見よう見まねで叩いてみます(笑)
「むずかしい!!」
まさかの展開でしたが、優しく教えていただいたおかげでなんとなく叩けるようになったかな!?
それではドラマーからお散歩へスイッチを切り替えましょう。
川沿いから大通りへと移動します。すると、「永野鰹節店」の看板が見えてきました。
昭和27年創業、現在は鰹節などの「だし」を専門に扱うお店です。お店に入るとすぐに、煮干しや椎茸、昆布など、美味しいだしが取れそうな商品が数多く並べられています。
卸だけでなく一般の方向けにも販売しているそうです。お料理が楽しくなりそうなものばかりでワクワクしてきます!
<出来立てホヤホヤの鰹節>
鰹節ができるまでの工程も勉強させていただきましたよ。
オススメの商品はこちら。
<どっちも美味しそうだな~>
青いパッケージデザインが目を引く「かつウォッチャ」は、出汁をお茶のように飲んで味わうものです。デザインは街のアーティストの方が制作されたそうで、アートによる街づくりの一端が伺えますね。
独特のネーミングには由来があるそうで・・・
・かつおぶしの「かつ」
・ウォッチ(見る)の「ウォッ」
・お茶の「チャ」
この三つを組み合わせたオーナーの造語だそうです。面白いネーミングですね!
それでは大通りを先に進みましょう。
少し歩いて「佐野屋本店」にやって来ました。通りからは横浜ランドマークタワーもバッチリ見ることができます!
ここにも・・・
<トビヲちゃん、いました~!>
佐野屋本店は創業明治30年、現在の場所に移転してからも80年近く営業を続ける駄菓子と玩具の卸問屋さんです。すごい歴史!
取材時はちょうど海外輸出用の駄菓子がたくさん入荷していて、改めて普段慣れ親しんだ日本のお菓子の人気ぶりを感じました!
1階はおもちゃのフロアです。
「懐かしい消しゴム! 子どもの頃使ったな~」
「これでもよく遊んだなっ!」
天井に投げると貼り付いて落ちてこない・・・そんな記憶が蘇ってきました!
さらにブーブークッションを発見!
「ぶー!」
2階へ上がると駄菓子がいっぱい!!
<圧巻の数です!>
「このゼリー、懐かしい~!」
子どもの頃には絶対に買えなかったやつを発見しました。
<夢が詰まったお菓子の詰め合わせ!>
<定番のうまい棒!>
とっても夢のある空間でした。
最後にお土産に頂いた横浜ドロップスと一緒にパシャリ!
<イメージガール風に>
今日もいろんなお店を“ぶらり”してきましたが、多くの方が「ガード下を中心にアート文化が浸透して綺麗になり、雰囲気が変わった」と語られていたのが印象的でした。
たくさんのアートに触れて、美味しいナポリタンをいただいて、昔ながらの問屋街をめぐって、今日もとっても楽しかったな!
ほかにもこの地域には、初黄日商店会が主催するマルシェ「はつこひ市場」や、黄金町エリアマネジメントセンターが主催する、アーティストやクリエイターによるグッズ販売やワークショップを行う「のきさきアートフェア」など、さまざまなイベントがあるから注目ですよ!
<のきさきアートフェアの様子>
それでは今日のお散歩はこれでおしまい。
次回のぶらり商店街もお楽しみに。 どこの商店街にお出かけしようかな。
「川沿いの風が気持ちいいからみんな来てね!」