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【シルク博物館をレポート】横浜スカーフ親善大使と学ぶ、横浜とシルクの歩み

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「横浜といえばスカーフ。」

横浜スカーフ親善大使として活動するようになってから、横浜の地場産業である“横浜スカーフ”への思いは、これまで以上に強くなりました。けれどその一方で、シルクの歴史や製造工程については、まだまだ知らないことばかり。

そこで今回、横浜のシルク産業の歩みと、シルク製品ができあがるまでの工程を改めて学ぶため、山下公園近くにある「シルク博物館」を訪れました。

リポート記事
山下公園・横浜中華街
横浜エリア
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今回、館内をご案内くださったのは横浜繊維振興会(シルクセンタ-国際貿易観光会館会長)の松村会長。

展示の前に立つたびに、生糸貿易の歴史や当時の国際情勢、品質評価の背景まで丁寧に解説してくださり、その知識の深さに思わず聞き入ってしまいました。

横浜港から輸出された生糸が、いかに日本の近代化を支え、世界市場で評価されていたのか。教科書で読む歴史とは違い、「横浜の現場」で積み重ねられてきたリアルな物語として胸に迫ってきます。

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館内に入ってすぐの受付で見つけたのがワークシート。小学生向けに用意されているものですが、大人の方も希望すればもらうことができます。展示を見ながらクイズに答え、正しいと思う選択肢に〇をつけていく形式です。

これが想像以上に楽しくて、自然と一つひとつの展示をじっくり読むようになりました。どうやら小学生が校外学習で見学に訪れることも多いそうで、学びながら楽しめる工夫が随所にちりばめられています。大人の私も、つい夢中になってしまいました。

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そして何より印象的だったのは、本物の蚕の展示です。ケースの中で飼料を食べる姿はとても愛らしく、命の営みを間近に感じる瞬間でした。訪れる時期によって、異なる成長過程の蚕を見ることができるのも特徴だそうです。

また、日によっては回転蔟(まぶし)の格子の中でうねうねと糸を吐きながら繭を作る蚕も見ることが出来ます。小さな蚕が少しずつ成長し、やがて繭をつくる——その過程を知ることで、シルクが“自然の恵み”であることを改めて実感しました。

 

ここで皆さんに問いかけです。

横浜スカーフを1枚つくるのに、どれほどの繭が必要だと思いますか?

 

 

正解は「110粒」です。繭ひとつから取れる生糸は約1,0001,500メートル。しかしその糸は非常に細く、一枚のスカーフを織り上げるには多くの繭が必要になります。首元を彩る軽やかな一枚の裏側に、これほどの時間と命が重なっているのだと知ったとき、私はスカーフへの愛着がいっそう深まりました。

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糸繰り体験に挑戦。とても繊細な糸を扱うため、思わず緊張してしまいます。

その横には、シルク博物館で実際に糸繰りされた糸が置かれており、来館の記念として一人1束持ち帰ることができます。

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受付にお声がけし、スタッフの方に教えていただきながら機織りを体験します。実際に機に向かい、糸を交差させていく作業は想像以上に緊張感がありました。左右の手足を使い交互に糸を通しながら織っていくのですが、油断すると頭がこんがらがってしまいます。職人の方々の技術と集中力に心から敬意を抱きました。

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さらに、ぜひ足を運んでほしいのが2階フロアです。

ここでは、横浜が世界への生糸輸出拠点として発展した歴史や、絹が持つ美しさと高度な技術を伝える展示が広がります。復元衣装や和装を中心とした絹製品が並び、日本の伝統とシルクの進化を一度に感じられる空間です。落ち着いた雰囲気の中で作品と向き合う時間は、とても贅沢なひとときでした。ぜひ実際に足を運び、その魅力をご覧いただきたいです。

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すべての展示を見学し、階段を降りた先には横浜スカーフのショップがあります。

こちらは、横浜の地場産業を支えるスカーフメーカー10社が共同で運営しており、上質な横浜スカーフを比較的お求めやすい価格で購入することができます。

シルク博物館でその歴史や製造工程を学んだ後に手にする一枚は、きっと見学前とは違う特別な思いを抱かせてくれるはずです。

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横浜を訪れた際には、ぜひシルク博物館へ足を運んでみてください。本物の蚕を見て、糸に触れ、機織りを体験する。そしてお土産には横浜スカーフを。きっと、特別な思い出になるはずです。横浜とともに歩んできたシルクの物語を、ぜひご自身の目で、そして心で感じてみてほしいと思います。

 

【シルク博物館】

所在地 :横浜市中区山下町1番地 シルクセンター2

アクセス:みなとみらい線  日本大通り駅下車4番出口徒歩3

開館時間:930分~1700分(入館は1630分まで)

休館日 :月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)、年末年始(1228日から14日)

※臨時休館することがあります。

電話番号:045-641-0841

公式ホームページ:https://www.silkcenter-kbkk.jp/museum/

 

【モデル・ライター】

中村 美紀(第13代横浜スカーフ親善大使)

 

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