観光スポットだけじゃない横浜の魅力をお伝えする特集「ぶらり!商店街ガイド」。
毎月ナビゲーターのわたくし、丸りおながマイルートを使って商店街を”ぶらり”と散策しながら商店街の魅力や街の魅力をお伝えしていきます!
新年度がスタートし春爛漫の今回は、異国情緒あふれる華やかな街並みの中に、お洒落なお店が軒を連ねる商店街:元町へお出かけしてみましょう!
元町が大好きで公私ともに何度も訪れていますが、今日はどんなお店に出会えるのか楽しみです!
今日は最寄りの元町・中華街駅まで横浜高速鉄道みなとみらい線を利用しました!
5番出口「元町口」に到着。
マイルート のアプリも立ち上げてお散歩準備完了です。
さっそく元町方面に歩き出すとすぐにシンボルである「フェニックス」アーチが出迎えてくれました。アーチの高さは10.5mもあるそうで圧巻の大きさ!
その上に幅4.8m高さ2.3mのステンレス・パイプ製のフェニックスが羽ばたいています。
1985年に建てられたこのアーチは元町のイメージを「伝統を受け継ぎながら、常に新しく生きるフェニックス」ととらえ「翔べ光の中へ」という意味が込められているそうです。
このフェニックス、なんと機能性やデザイン性が高く、横浜の魅力ある景観をつくる広告物に贈られる「第2回横浜サイン賞」を受賞されたそうです。おめでとうございます!
今日はまず裏通りである元町仲通りを歩いてみます。メインの元町通りと少し雰囲気が変わって何度も訪れている元町がいつもと違って見えます。
しばらく歩くと横浜を代表するフレンチレストラン霧笛楼(むてきろう)さんの荘厳な建物が見えました。近づくと敷地内に碑文があるのに気づきました。
ここに展示してある2枚の瓦は、明治初期の文明開化の時代に元町にあったフランス人技師アルフレッド・ジェラール氏の瓦工場で日本初の西洋瓦として製造されたものの一部だそうです。
奥に霧笛楼のカフェ「Café Next-door」というお店がありました。せっかくなのでこちらでランチをいただくことにします。
入店するとまず足元に猫の足跡を発見しました。カワイイので思わずパチリ!
店内はカジュアルな中に霧笛楼の重厚な雰囲気が感じられます。
人気の「横濱フランスカレー」を注文しました。
とっても高級感あるお料理が運ばれてきました。ゴボウのフライがトッピングされたライスのまわりにジャガイモと西洋ネギのポタージュが注がれています。別皿で提供されたカレールーをスプーンですくってライスとポタージュと一緒にいただくそうです。
カレーのスパイスとまろやかなポタージュの絶妙なマリアージュ。とっても上品な味わいで絶品です!
フランスのエスプリを利かせたシェフの自信作、とっても美味しかったです!ごちそうさまでした!
お店の方から、元町公園の近くに先ほどの瓦製造者であるジェラール氏の関連史跡があると伺い、このあと向かってみることにしました。元町仲通りを駅の方へ少し戻り、水屋敷通りに進みます。
元町公園の入り口が見えてくると、左手にジェラール水屋敷地下貯水槽がありました。
まずは山手の湧水の碑がありました。
この湧水は当時は飲料水としてだけでなく、工業用水としても大切な資源だったようです。
ジェラールはこの湧水を利用して横浜港に出入りする船舶への給水事業や、蒸気機関を導入し先ほどの瓦などを製造していたようです。
国の登録有形文化財にも登録され、とてもきれいに整備されています。
鯉が優雅に泳いでいました。
まさに日本文明開化と横浜の開港史を知ることのできる歴史的遺産ですね。
さ、また元町商店街に戻りましょう。
元町通りって歩くだけでワクワクします♪
歩道の各所にはベンチがあってショッピングの合間にちょっとひと休みもできます。訪れる人に優しい商店街ですね。
のんびり歩いているとカワイイお店を発見しました。
ここは何のお店でしょう。近づくとBASE-1という看板があります。
アメリカンカジュアルショップで、目利きのオーナーセレクトのインポート商品だけでなくオリジナル商品が店内に所狭しと並べられています。
アパレルがメインですが、バッグや雑貨などの小物もあります。みているだけでワクワクします。オーナーの方のセンスの良さが伺えます。
定番で人気なのがこの「パグ」デザインのスウェットだそうです。
これはさきほどの入り口のフェニックスがモチーフのオリジナルTシャツですね!
店内の所々にはオーナーが描いた元町の各店の人物のイラストも。
とっても楽しいひと時でした!
ここで協同組合 元町SS会広報の妻鳥隆太さんに元町商店街が取り組まれているSDGsに関してお話を伺いしました。
「元町のSDGsというのは、決してブームに乗って生まれたものではないんですよ!」と妻鳥さん。
「2004年から環境に優しい商店街を目指し、ショッピングストリート単独では国内初の共同配送システムを整備しました。さらに、より安心してショッピングをお楽しみいただけるようオムツ交換台・授乳室・バリアフリートイレを備えた『元町オアシス』や、車道の一部を休憩スペース『パークレット』にするなどの取り組みを行ってきました」とのこと。
確かに、元町商店街には老若男女みんなにやさしく快適な環境が準備されていますよね。
「2020年には森林を利用した街づくりに力を入れる北海道の下川町を視察し、森林を維持するために間引いた『間伐材』の問題について学びました。用途が限られることから再利用が難しい間伐材ですが、それを有効活用してこそ本当のSDGsだと考え、現地の職人の方に間伐材から木製のトナカイのソリを二つ作ってもらい、クリスマスシーズンの商店街に飾りました。そのうち一つは翌年のクリスマス用にばらして保管し、もう一つは木製のSDGsバッジにリユースしたんです。」
〜北海道の間伐材から作られたソリ(組み立て式で保管・再利用がしやすくなっています)〜
〜バッジ(右下)〜
元町ではSDGsが一般化するずっと前から環境問題や商店街改革に力を入れていて、それが今SDGsという大きなうねりの中で更なる展開を見せているようです。
「SDGsをすることが目的なのではなく、訪れる方々のために商店街をもっと盛り上げたい、快適なものにしたい、そう思って様々な施策を行う中でまた新たなビジネスチャンスが生まれるなどの好循環があります。」とおっしゃっていたのがとても印象的でした。
〜商店街に掲示されていたフラッグからリユースされたバッグを手に〜
妻鳥さん、貴重なお話をお聞かせいただきましてありがとうございました!
メインの元町通りを歩いていると「UNI COFFEE ROASTERY」というコーヒーショップが目にとまりました。ちょっとここで一休みしたいと思います。
「コーヒーを通して、 多くの人を幸せにしたい」という企業理念をもとに、コーヒー豆の産地にこだわったり、SDGsの取り組みを積極的にされているお店で、横浜市をメインに神奈川県内に8店舗(*2022年3月時点)出店されているそうです。
いろいろなドリンクがありましたが、定番のカフェオレを。
そしてオリジナルのスイーツも気になり、看板メニューという「バスクチーズケーキ」「かためのプリン」の2品を注文しました。
カフェオレはフルーティーなコーヒーとミルクがとてもマッチしています。
濃厚ながら隠し味の海塩がアクセントになったチーズケーキ、そしてその名のとおりしっかりした食感で食べ応えがあるプリン。
どちらも本格的でとっても美味しかったです!
お店を後にして歩いていると見たことのある看板が!
横浜が発祥のベーカリーといえばここ1969年創業の「ポンパドウル」さんです。今は、北は東北から南は九州までお店がありますが、ここ元町本店が第一号店なんですよね。お土産にパンを買っていこうと思います!
入店すると香ばしいパンの香りが。たまりません。。。
まずは迷わず「バケット」。外はパリッとした食感で、シンプルなのに深い味わいのあるパンです。
角切りチーズがたっぷり入った「チーズバタール」、そして、ピーナツチョコとアーモンドスライスをトッピングした香ばしいデニッシュペストリー「ムトン」もいつも必ず買ってしまいます。
「ポンパドウル・レッド」と呼ばれる赤いショップ袋も素敵ですよね。
元町をこの袋を持って歩くとオシャレ度が増しそうです。
ちなみに1階店舗の奥にはイートインコーナー、本店ビルの2階にはヴィーガン料理の「M's Table」というレストランもあるみたい。今度行ってみたいな!
何度訪れても新しい発見のある元町。ますます大好きなまちになりました。
次回のぶらり商店街もお楽しみに。
どこの商店街にお出かけしようかな。
※お店の営業時間などは変更になっている場合があります。
事前にお調べになってからお出かけください。
・写真と文 横浜DMC(YDMS株式会社)