今から約100年前の1922年11月。
エジプト・王家の谷で、イギリス人考古学者ハワード・カーターと、その支援者カーナーヴォン卿が、歴史的な発見を成し遂げました。
彼らが見つけたのは、誰も見たことのないまばゆい財宝や美しい彫像、そして黄金のマスクをかぶった若きファラオのミイラ。
そこがまさに、ツタンカーメンの墓だったのです__
今回の体感型古代エジプト展では、そのカーターの発見に導かれるように、7つのミステリーを巡る旅が始まります!
ツタンカーメンの生涯を感じられるプロジェクション映像とともに、イマーシブ(没入感)体験をどうぞお楽しみください!
IT技術を駆使して数々のプロジェクトを手がける「ワールドスキャンプロジェクト」が制作した、圧巻のイメージ映像。
この映像は、エジプト考古学者・河江肖剰(かわえ ゆきのり)先生と、名古屋大学との共同研究の一環として制作されたもの。
3Dスキャン技術を活用し、ピラミッドの外側・内部構造の詳細な解析、さらには石一つひとつの形状まで可視化するという、まさに最先端の科学と歴史学が融合した取り組みです。
そして今回、その膨大な3Dスキャンデータをもとに、実写ではなくCGで構成されたイメージ映像が完成しました。
エジプト・カイロから王家の谷へ向かう旅路は、まるでドローンのような視点で時空を超えていく構成。古代エジプトの壮大なスケールと神秘が浮かび上がります!
ツタンカーメンのお墓から見つかった5000点を超える遺物たち__
これだけの遺物が見つかった王墓は、なんとツタンカーメンだけなんです。
そのおかげで彼は、世界でいちばん有名なエジプトの王様になったわけですね…
今回はその中でも選りすぐりの130点あまりを展示しているんですが、
実は、本物をそっくりそのまま再現した、超精緻なスーパーレプリカなんです!
今から20年ほど前、エジプト政府とミニア大学美術学部・彫刻科の教授陣がタッグを組み、
当時の技法・寸法・素材を使って、本物そっくりのスーパーレプリカを制作しました。
世界にたった3セットだけという貴重なレプリカのうち、今回の展示ではその1セットが登場しています!
見た目だけでなく、使われている素材や装飾技術まで、本物とほぼ変わらない精度で再現されていて、工芸的にも、技術的にも非常に価値が高いと言われています。
見れば見るほど、細部の美しさや当時の空気感に引き込まれていきます__
エレベーターで3階まで上がると、古代エジプト・ツタンカーメンの時代にタイムスリップしたかのように物語が始まります__
展示されている品々は、本物を限りなく忠実に再現したスーパーレプリカ。
本物だったら、1点ずつ大事に箱に入れて保管されるレベルのものです!
数々の黄金の副葬品とともに葬られたツタンカーメン。
彼の体は、なんと18層もの包帯にくるまれていて、ハワード・カーターはそれを一枚ずつ丁寧に剥がしていきました。
すると、包帯と包帯の間から、お守りや装飾品といった副葬品が次々と登場。
その重さは、なんと合計で約50kgにもなったそうです…
当初は発掘チームの模写担当として現場に参加していたカーターですが、やがて自らも考古学を学び、考古学者に。
なので、ミイラから出てきた品々を、精密なデッサンで記録として残しています。
そのデッサンは、現在イギリスの美術館に保存されていて、今回は特別な許可を得て複写展示が実現しました。
ツタンカーメンは、わずか9歳で王位に就いた少年ファラオ__
王家では近親婚が一般的だったため、彼もまた実の姉と結婚し、特別な血筋の中でその人生を歩みました。
生まれつき足が不自由で、杖がなければ歩けなかったとも言われています。
実際、彼の墓からは100本以上もの杖が見つかっており、その1本1本が、彼の生きた証となっています。
そんな彼の父、アクエンアテン王は、当時のエジプトに衝撃を与える宗教改革を行いました。
それまでの多神教をすべて否定し、「アテン神」という太陽の神だけを信仰する一神教へと転換したのです。
この急激な変化により、エジプトは混乱…
古くから祀られてきた神々は忘れられ、王家の名前すら歴史から抹消されてしまう事態に__
その渦中で誕生したのが、ツタンカーメン__
ようやく授かった男の子だったため、父はとても喜び、
「アテン神の生ける似姿」「アテン神の生まれ変わり」という意味を込めた名前を与えました。
しかし、ツタンカーメンが即位して間もなく、父は急逝。
まだ9歳の少年王には、政治も宗教も一人で動かす力はなく、国の未来は周囲の大人たちとともに背負うこととなります。
そして彼らが選んだのは、再び多神教に戻すという選択。
ツタンカーメンもそれに合わせ、自らの名前から「アテン」の文字を外し、代わりに多神教の最高神「アメン神」の名を加え、
「アメン神の生ける似姿(ツタンカーメン)」として新たに名乗るようになります。
こうして彼は、混乱の時代に信仰と国家のバランスを取り戻す象徴的な存在として、その名を刻んでいくことになるのです。
ツタンカーメンの財宝の中でも特に価値が高いと言われている「黄金の玉座」。
彼がまだ子どもの頃から使っていたもので、中央に輝く太陽は、父が太陽神を信仰するようになってから加えられたもの。
まさに、太陽信仰の時代を生きた証が、この椅子にはしっかりと刻まれています。
この玉座にはツタンカーメン自身の名前が刻まれており、彼が確かにこの世界を生きていた歴史が残されています。
これは、考古学的にも非常に貴重な品のひとつです!
以前にも触れたように、ツタンカーメンは生まれつき足が不自由だったため、杖は日常生活に欠かせない存在でした。
この展示でも、玉座のそばに杖を置くことで、当時の生活の様子を再現しています。スーパーレプリカだからこそ実現できる展示方法ですね。
2階へ降りると、ツタンカーメンの黄金のマスクや棺、厨子など、豪華絢爛な展示の数々が。
さらに、ツタンカーメンの生涯を振り返る映像コーナーも見どころのひとつ!
ここで使われているツタンカーメンのマスクは、ただのCGではありません。
実際にエジプトで、ツタンカーメンの本物の遺物を3Dスキャンして作られたデータを使って、構成されています。
実は本物のツタンカーメンのマスクは、エジプト・カイロの美術館に展示されていますが、
分厚いガラスケースの中にあり、近くで見ることはできません。後ろに回ることもできず、写真撮影も禁止。
見る側としては、どうしても「遠くから、そっと眺めるだけ」になってしまいます…
でも今回の展示は、超精巧なスーパーレプリカだからこそ、
ぐっと近くで、真正面からも横からも、さらには裏側までじっくり観察することができるんです!!
本物にはできない体験が、ここにはあります。
この空間は、実際にツタンカーメンの王墓を3Dスキャンして再現されたもの。
現地・王家の谷にあるツタンカーメンの墓をくまなくスキャンし、
その緻密なデータに基づいて壁の模様や床の形状、空間の寸法まで正確に再現。
さらに、美術チームがすべて手作業で色を塗り、質感を再現しています。
驚くべきは、壁の染みや床のくぼみはもちろん、カビの色・位置・数まで、本物とまったく同じということ。
「本物の空気」を感じられるほどのリアルさを、ぜひ体感してみてください!!!
◆開催期間:2024年12月13日(金)~2025年12月25日(木)
◆開館時間:11時~18時(最終入館17時30分)火曜休館
※休館日、開館時間は変更となる場合がございます。
※展示替えなどにより、日程によっては一部施設に入場できない場合がございます。
※展示内容が変更、または中止になる場合がございます。予めご了承ください。
※ご退場後の再入場はいたしかねますので、あらかじめご了承ください。
◆会場:神奈川県横浜市西区みなとみらい4-3-1PLOT48 ツタンカーメン・ミュージアム
みなとみらい線 新高島駅2番出口より徒歩7分
みなとみらい線 みなとみらい駅3番出口より徒歩10分
※当館には駐車場、駐輪場はございません。周辺にある有料駐車場をご利用ください。
◆チケット:大人(大学生以上) ¥2,600
中学生/高校生 ¥2,000
小学生 ¥1,500
※未就学児(小学生未満)は無料です。
※当日券は会場の窓口にてお買い求めください。 数に限りがございますので、予めご了承ください。
※当日窓口券は現金がご利用になれません。
※団体利用(20名様以上)の場合は料金が異なります。お申し込みページよりご確認と事前予約をお願いいたします。
※障がい者手帳(身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳)をご提示いただくと、
ご本人、介助者1名は半額となります。(当日窓口販売のみ)
◆公式サイト:MYSTERY OF TUTANKHAMEN (ミステリー・オブ・ツタンカーメン〜体感型古代エジプト展〜)