@YOKOHAMA

横浜観光親善大使と巡る歴史旅 ヨコハマ再発見 国指定名勝 三溪園を散策する

横浜を初めて訪れた方も、もちろんハマっ子も!横浜の歴史に触れることにより、もっと横浜が好きになる「横浜観光親善大使と巡る歴史旅 ヨコハマ再発見」!
皆さんは、三溪園に行ったことありますか。「立派なお庭があるところ、歴史的建物が渋い!」など感想はそれぞれ。横浜の中心部にありながら、こんなに四季を楽しみながら散策できる場所はなかなか横浜市内にはないと思うのです。特に今はなかなか遠くに行けないのが現状です。というわけで私たちと一緒に旅気分で三溪園を散策しませんか。
旅のナビゲーターはもちろん第18代横浜観光親善大使の首藤櫻(しゅどうさくら)さんと稲垣薫(いながきかおる)さん。今日は天気も良いので徹底的に三溪園をご紹介します。さあ、my routeで検索して、いざ出発。


交通アクセスは、横浜駅東口から横浜市営バス8・148系統で三溪園入口バス停。また、土日祝日はぶらり三溪園BUSがとっても便利です。詳しくはmy routeで検索してね。ぶらりチケット(1日乗車券)をmy routeで購入すれば簡単ですよ!


三溪園は生糸貿易により財を成した実業家 原 三溪によって、1906年に公開されました。175,000㎡に及ぶ園内には京都や鎌倉などから移築された歴史的に価値の高い建造物が巧みに配置されています。東京湾を望む横浜の東南部・本牧に広がる広大な土地は、三溪の手により1902年頃から造成が始められ、1914年に外苑、1922年に内苑が完成するに至りました。三溪が存命中は、新進芸術家の育成と支援の場ともなり、前田青邨の「神輿振」、横山大観の「柳蔭」、下村観山の「弱法師」など近代日本画を代表する多くの作品が園内で生まれました。その後、戦災により大きな被害をうけ、1953年(昭和28年)、原家から横浜市に譲渡・寄贈されたのを機に、財団法人三溪園保勝会が設立され、復旧工事を実施し現在に至ります。


このちょっと渋い写真は、昔の三溪園の桜の頃の絵葉書です。撮影は明治末~大正時代初期(三溪園保勝会所蔵)


園内


早速、園内を散策していきましょう。


正面の池の前でハイパチリ。ここが横浜の中区だなんて思えませんね。池の奥の小高い山の上には旧燈明寺三重塔が見えます。


この絵ハガキは、同じ構図でとったものです。撮影は明治末~大正時代初期(三溪園保勝会所蔵)


昔はハスが植えられていました。あー気持ちが良い!


原 三溪(本名富太郎)について少しご紹介させてください。
生まれは1868年の明治維新の年。岐阜県厚見郡佐波村(現在の岐阜県岐阜市柳津町)で代々、庄屋をつとめた青木家の長男として生まれました。幼少の頃から絵、漢学、詩文を学び、1885年東京専門学校(現在の早稲田大学)に入学、政治・法律を学びました。1888年頃に跡見学校の助教師になり、1891年に、教え子であった原善三郎の孫娘、屋寿と結婚し、原家に入籍。原家の家業を継ぐと、個人商店を合名会社へと改組、生糸輸出を始めるなどの経営の近代化と国際化に力を入れ、実業家として成功を収めました。実業家以外にも様々な面を持ちあわせた三溪は、住まいを本牧・三之谷へ移すと古建築の移築を開始し、1906年三溪園を無料開園するほか、美術品の蒐集や芸術家の支援・育成を行いました。1923年の関東大震災後は、横浜市復興会長に就任し、それまでの作家支援を止め荒廃した横浜の復興に力を注ぎました。三溪自身も書画をたしなみ、その作品の一部は、園内の三溪記念館に収蔵されています。(三溪園ホームページより)

ではここで三溪園の移り行く四季をご紹介します。


春(三溪園保勝会所蔵)


夏(三溪園保勝会所蔵)


秋(三溪園保勝会所蔵)


冬(三溪園保勝会所蔵)


ぜひ四季を通じて、催事もたくさんありますのでホームページやインスタグラムのチェックよろしくお願いします。


鶴翔閣の正面にやってきました。
三溪園にある歴史的建造物のなかでも際立って大きな規模を誇り、その名称は鶴が飛翔する印象の外観に由来するといわれています。
1902年に原三溪が自らの住まいとして建て、以後20年にわたる三溪園造成の足がかりとなったほか、横山大観や前田青邨といった日本画家たちが集い、滞在し絵を制作するなど、日本の近代文化の発展にも関わった文化サロンとしての役割も果たした場所です。哲学者の和辻哲郎は、後に名著「古寺巡礼」として結実する京都・奈良への旅をここから出発したことが知られています。
ここで結婚式を挙げることができるなんて、日本的で良いですね。


池の藤棚でお庭を愛でてみました。すぐに鯉とカメがお出迎え。


内苑へご案内します。


御門の前で。京都東山の西方寺にあった薬医門で江戸時代の1700年初頭の門です。


白雲邸正面。ここは三溪がご隠居所として夫人と共に暮らした数寄屋造り建築。


臨春閣前に池とお庭の前で。すでに気分は京都です。


旧天瑞寺寿塔覆堂。この建物は豊臣秀吉が京都大徳寺の中に母の長寿祈願に建てた堂で、彫刻が素晴らしい。


亭樹前で


旧矢箆原(やのはら)家住宅(合掌造り)
飛騨白川郷の一部、現在の高山市荘川町にあった、江戸時代後期の入母屋合掌造りの民家で、御母衣ダム建設の水没地域にあったため、1960年に三溪園に移築されました。農民の家ながら、式台玄関や書院造の座敷など立派な接客の空間を備え、火灯窓が付けられるなど、飛騨の三長者の一人といわれた矢箆原家の格式の高さを伝える、現存する合掌造りでは最大級の建物です。


奥座敷が立派です。


横笛庵
茅葺屋根の土間と栩葺き屋根の小間からなる、素朴ながら趣のある草庵風の建物で、その名前はかつて内部に置かれていた横笛の像にちなみます。横笛は、平安時代の末に平清盛の娘で高倉天皇の中宮であった建礼門院に仕えた女性で、平重盛の従者・斎藤時頼との悲恋の話が平家物語や髙山樗牛の「滝口入道」から知られています。


林洞庵(茶室)外から見せていただきました。


旧燈明寺本堂
三重塔と同じ京都・木津川市の燈明寺にあった室町時代の建物。明治時代以降、燈明寺は衰退し、この本堂の建物は第二次世界大戦直後の台風の被害を受けたあと解体され、再建できないままとなっていました。その後、三重塔が移築されていた縁により三溪園に寄贈されました。


ハイ、お昼です。三溪そばで有名な待春軒にお邪魔しました。
営業時間:10時半~16時半 定休日:不定休 電話:045-623-9771


これが三溪そば850円。グルメであった原三溪が考案した、伝統の味で汁のない麺です。


はいいただきます。上にのっているタケノコやひき肉が入ったあんかけが絶妙です。一緒に出てくる昆布茶とのハーモニーは何とも言えない趣です。


お腹も満足!小高い丘を登って、旧燈明寺三重塔へ。近くでは、素敵な仏様が迎えていただきました。合掌。


室町時代の康正3年・1457年に建てられた、園内の建造物中、最も古い建物です。三溪園へは1914年に、現在の京都・木津川市の燈明寺から移築され、小高い丘に建てられたその姿は三溪園を象徴する存在です。
三重塔の移築は、その後の庭園造成の上で大きな鍵となりました。臨春閣や聴秋閣などは、その室内から三重塔が美しく眺められるよう、配置の工夫が見られます。


三重塔の前からは遠く本牧の街並みや港が見えます。ここはヨコハマだったことを思い出しました。


再び池のところに。ここは大池の観心橋。後ろは中之島翔花亭です。


ちょっと早いですが、雁ヶ音茶屋でおしるこタイム。
営業時間:11時~15時半 定休日:不定休 電話:045-621-1289


お餅入りで北海道産の小豆を使用。600円
あー身も心もスイートに・・・


三溪記念館にやってきました。記念館では、三溪園の創設者・原三溪に関する資料、三溪自筆の書画、 ゆかりの作家の作品や美術工芸品、臨春閣の障壁画などを展示しています。


ここで公益財団法人三溪園保勝会の吉川利一さんに三溪園の魅力などを聞いてみました。
Q1 はじめて来園する方に「三溪園」の魅力を訪ねられたらなんとお答えしますか?
→「横浜とは思えない、京都や奈良を旅しているような感覚が味わえる」でしょうか。

Q2 四季を通じた魅力をぜひ教えてください。
→ 他の庭園にはない、三溪園の特徴は三重塔をはじめとした歴史的建造物がたくさんあること、そしてこうした建物が周囲の自然と見事に調和した景観が楽しめることだと思います。季節ごとにいろいろな花が見られるので、様々に変わる庭園の表情も魅力です。ぜひ様々な季節ごとにいらしていただきたいですね。

Q3 三溪園のアート(美術品)について美術にあまり造詣のないビギナーでも興味を持ってもらえるいくつかの作品を紹介するとなるとどこをみたら良いか教えてください。
→ 三溪園ゆかりの美術品はここ三溪記念館で展示紹介しています。1か月に1回ほどのサイクルで展示替えをしていますが、毎回季節に合わせたテーマで構成しています。庭園と美術品とで日本の季節を楽しんでいただけると思います。

Q4 最後になりますが、これからのイベントや展示について、教えてください。
→ これからの秋に向けては、秋を感じていただくイベントが目白押しです。開園時間を延長して、三重塔など建造物のライトアップと風情豊かな音楽演奏が楽しめる観月会や、丹精込めた500点の菊が楽しめる菊花展、そして、鮮やかな紅葉は秋の季節のハイライトです。

その後様々な角度で薫さんも櫻さんも三溪園の見どころ、楽しみ方を質問させていただきました。


吉川さん貴重なお話ありがとうございました。
今回の三溪園の旅はここでいったん終了です。
みなとみらいや山手もいいけれど、ちょっと大人気分で三溪園に出かけてみてはいかがですか。素敵な一日になると思います。


<取材協力先一覧>
※施設やお店の営業時間などは変更になっている場合があります。事前にお調べになってからお出かけください。

公益財団法人 三溪園保勝会
https://www.sankeien.or.jp/ link

協力:公益財団法人横浜観光コンベンション・ビューロー
レポート:小嶋 寛
写真:清水和成